新たに光学手ぶれ補正を搭載した薄型8倍ズーム機 【キヤノン IXY130】
キヤノンから薄型コンパクトIXYシリーズの新型機が登場しました。現行IXYシリーズは、有効1600万画素CMOSセンサーに光学12倍ズーム、Wi-Fiも搭載した最上位機種IXY630、有効2000万画素CCDセンサーに光学10倍ズームを搭載したIXY140、有効1600万画素CCDに光学8倍ズームで手ぶれ補正は省略されたものの最小最薄のIXY120の3機種で構成されています。今回登場したIXY130はIXY120の後継機であり、サイズはそのままに光学手ぶれ補正機能を新たに搭載した点が一番の進化点となります。
前機種となるIXY120。イメージセンサーとレンズは同等ですが手ぶれ補正は非搭載です。
IXY130(左側)とIXY120(右側)。デザインは共通でボディサイズも同じです。カラーは、IXY120のブラック、レッドに対し、IXY130ではグレートレッドに変わりました。レッドの色合いもやや明るくなっています。レンズ自体の光学系は共通しているものと思われます。
IXY130(左側)とIXY120(右側)。液晶パネルはどちらも2.7型23万ドットでタッチ操作には対応していません。ボタン類のインターフェースも共通しています。動画撮影はどちらも1280x720(25fps)までの対応となります。
IXY130(左側)とIXY120(右側)。ボディ上面のデザインもほぼ同じですが、レンズ基部の形状がやや変わっています。シャッターボタンの同軸にズームレバーが置かれています。その右にあるのはスピーカーです。
IXY130の主な特長は次の通りです。
- イメージセンサーは有効1600万画素1/2.3型CCDセンサーでIXY120と同じです。
- 画像処理エンジンもDIGIC4+でIXY120と同じです。
- レンズは28-224mm相当F3.2-6.9と同じです。
- 引き続きWi-Fiは非搭載です。
- 手ぶれ補正機能が新たに搭載され、シーンを判断して手ぶれ補正機能を切り替える「マルチシーンIS」も選択可能です。
- 液晶モニターは2.7型23万ドットで同じです。
- 動画機能はHD(25fps)で同じです。
- ボディサイズは同じですが、重さは3g重くなっています。
今回、IXYシリーズとしてはIXY130のみがリリースされました。これは人気の高い最小最薄モデルであるにもかかわらず、光学式手ぶれ補正機能が搭載されていなかったことで見送られることが少なくなかったことを示しているのかもしれません。
これで、IXYシリーズはIXY630、IXY140、IXY130のラインアップとなりましたので、これら3機種の特徴を比較してみます。
【IXY630、IXY140、IXY120の比較】
機種名 |

IXY630 |

IXY140 |

IXY130 |
イメージ
センサー |
有効1600万画素
1/2.3型CMOS |
有効2000万画素
1/2.3型CCD |
有効1600万画素
1/2.3型CCD |
レンズ
(35mm換算) |
25-300mm相当
F3.6-7.0
(7群9枚) |
24-240mm相当
F3.0-6.9
(7群9枚) |
28-224mm相当
F3.2-6.9
(7群8枚) |
最短撮影距離
(レンズ前) |
通常:1cm(W)/1m(T)
マクロ:1cm(W) |
通常:1cm(W)/1.3m(T)
マクロ:1cm(W) |
手ブレ補正 |
レンズシフト方式 |
感度 |
ISO100-3200
ローライトモードはISO6400まで可変 |
ISO100-1600 ローライトモードはISO6400まで可変 |
Wi-Fi |
○ NFCあり |
- |
- |
GPS |
- |
タッチパネル |
- |
フラッシュ |
約0.5〜4.0 m(W)
約1〜2 m(T) |
約0.5〜3.0 m(W)
約1.3〜1.5 m(T) |
シャッター速度 |
15-1/2000秒 |
液晶モニター |
3型46万ドット |
2.7型23万ドット |
連写速度 |
3.9枚/秒
ハイスピード連写10.5枚/秒 |
0.8枚/秒 |
動画記録 |
1920x1080/30fps |
1280x720/25fps |
バッテリー |
NB-11LH 約190枚 |
NB-11LH 約230枚 |
NB-11L 約280枚 |
外形寸法 |
99.7×57.6×22.4mm |
95.3×56.8×23.7mm |
95.2×54.3×22.1mm |
質量
(電池,カード含) |
147g/130g |
142g/125g |
130g/115g |
実売価格
(2014年8月時) |
1万4千円前後 |
1万3千円前後 |
1万2千円前後 |
選択の
ポイント |
12倍ズームのWi-Fi/NFC搭載モデル。 |
10倍ズームのコンパクトモデル。 |
8倍ズームのコンパクトモデル。 |
今回同時に発売されたIXYシリーズ3機種を比較すると、次のような特長があります。
- イメージセンサーは1/2.3型センサーですが、IXY630はCMOSであるのに対し、他の2機種はCCDとなります。
- レンズは、光学12倍、光学10倍、光学8倍と差があります。IXY630とIXY140は各々25mm相当、24mm相当からのズームレンズですが、IXY120は28mm相当からとなりますので、やや広角側での撮影に差が出てきそうです。
- 動画機能では、CMOSを搭載しているIXY630はフルHDに対応していますが、他の2機種はHDまでとなります。
- Wi-FiおよびNFCを搭載しているのはIXY630のみです。
- すべての機種には光学式手ぶれ補正機能が省略されています。
- 液晶モニターはIXY630が3型46万ドットであるのに対し、他2機種は2.7型23万ドットに留まります。
- ボディサイズは、わずかながらIXY630が大きくなっていますが、ほぼ同等レベルで、わずかながらIXY130が最小最薄となります。重さは、IXY130が頭一つ分軽量です。
- ソフト面では、IXY630のみクリエィティブショット機能を搭載しています。
IXY130の発売開始時の価格は1万2千円前後で、IXY120登場時とほぼ同等です。現行3機種は価格面でも大きな差はありませんので、機能とサイズでの選択となります。なお、IXY120は9千円弱で購入可能ですが、やはり手ぶれ補正機能搭載の現行機からの選択をお勧めします。
( by Inaba Kunio)
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