年末恒例特別座談会
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右肩上がりで発展し続けてきたデジカメ業界も踊り場を迎え、新たな段階に入りつつあります。本年9月に開催されたフォトキナでも、この「新しい時代」にどう立ち向かっていくのかが注目されたように思います。
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§ monoxAwards2014とは? §《ひめ☆》 「みなさん、ごきげんよう。本年が3回目となる『monoxAwards2014』の選定のためにお集まりいただき、ありがとうございます。2012年、2013年と各々特長ある製品を選べたと思いますが、本年も有意義な場にできればと思います。表彰制度の趣旨と今回の概要について、リバティさんからご紹介をお願いします。」 《リバティ》 「この表彰制度は、デジカメ文化の根をより広く、そしてより深く伸ばしていくためには『一般的なユーザーの視点で製品を評価し、素晴らしいデジカメを勝手に表彰する』ことも役立つのではないか、という趣旨でつくったものです。 昨年の『monoxAwards2013』、一昨年の『monoxAwards2012』を踏まえ、本年は次のように実施したいと思います。」
《ひめ☆》 「内容についてはよろしいでしょうか。基本的には昨年と同じ内容とのことです。」 《リバティ》 「事前の打ち合わせでは、デジタル一眼レフ部門とミラーレスカメラ部門を『レンズ交換式カメラ部門』にまとめたらどうか、という意見も出されました。背景には、ソニーのαシリーズや、レンズスタイルカメラILCE-QX1など、境界を跨ぐような製品が出初めていることがあります。これは、デジタルカメラがフィルムカメラとは異なる新たな製品として発展していることを示すものと言えます。今回は、まだ時期尚早ということになりましたが、次回表彰時には改めてこのあたりも検討したいと思います。 それでは各賞の選定方法ですが、基本的には前回と同じような手順で進めたいと思います。 まずは、デジカメ大賞の選定をし、次に各部門大賞、特別製品賞の順で行い、最後にメーカー大賞を選定したいと思います。 メーカー大賞とデジカメ大賞については、会の代表であるmonoxさんから提案をいただき、それについて議論をして、基本的には全員一致方式で選びたいと思います。 各部門については、記入用紙を準備しましたので、各々で記載をしていただき、それを持ち寄って話し合いにより決めたいと思います。話し合いの上、基本的には多数決で決定したいと思いますが、本日集まっていただいた幹事は4名ですので、もし2:2に分かれてしまった場合には、代表であるmonoxさんの意見をもって最終決定にしたいと思います。 最後に、特別製品賞です。これについては自由に意見交換し、決めていきたいと思います。」 《ひめ☆》 「よろしいでしょうか。それでは、リバティさんの提案に沿って検討しましょう。」 |
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§ monoxAwards2014 デジカメ大賞は? §《ひめ☆》 「それでは、これからの進行はリバティさんにお願いします。」 《リバティ》 「はい。まずデジカメ大賞ですね。これは『2014年に発売されたデジカメ全体の中で、最も注目すべき機種』ということで選びたいと思います。最初にmonoxさんから提案をお願いします。」 《monox》 「はい。デジカメ大賞は、後から振り返った時に『2014年には○○のようなデジカメが出たね』と言われるような、その年を代表することになるだろうデジカメに与えたいと思います。 で、具体的な製品ですが、本年はとくにずば抜けて目立った機種はありませんでしたが、これからのデジカメのあり方を方向づけるような魅力的な製品は少なからずありました。 今回、私が候補で挙げたのは、キヤノンのEOS7D MarkII、ソニーのα7II、ILCE-QX1、DSC-RX100M3、ニコンのD750、パナソニックのDMC-GM5、DMC-LX100、富士フイルムのX-T1、リコー(ペンタックスブランド)の645Zです。いずれも今までにない新しい要素を持ったカメラに仕上がっています。 今回は前回以上に悩みましたが、2014年を代表することになるだろうデジカメ、という観点で見た場合、ソニーのα7II ILCE-7M2が一番ふさわしいように思います。 評価したポイントは、ミラーレスカメラとデジタル一眼レフを実質的に統合した新世代のカメラである点です。このあたりは『新たなソニーの挑戦 〜いよいよ統合されるレンズシステム』を参照していただければと思いますが、歴史あるαAマウントレンズを、αAボディに装着したのと同じように使うことができる初のEマウントカメラです。」 《リバティ》 「monoxAwards2014 デジカメ大賞には、ソニーのα7IIという提案ですが、ちょっと意外な感じもします。このカメラは、昨年登場したα7の後継機というイメージが強いので、少々力不足のようにも思いますが。」 《monox》 「私もその点は気になりました。イメージセンサーやオートフォーカス、連写性能など、カメラとしての基本性能はα7を踏襲していますからね。両機種の違いは、手ぶれ補正機構をボディ内に搭載した点だけ、ともいえます。しかし、この『だけ』の部分が、これからのカメラのあり方ということでは、極めて大きな役割を担うと感じました。まさに、巨大な『だけ』と言えます。」 《太郎》 「前回はレンズ交換式カメラだったので、今回は高級コンパクトの番かな、という気がしてたので、パナのLX100あたりを考えてました。ソニーのα7IIについては、ブログの記事を見るまでは、単なるα7後継機と思ってました。でも、αAマウントのレンズを持っている方にとって、α99と同じ土俵で比べられるミラーレスと考えると、すごいのかも。」 《ひめ☆》 「そうですね。今回は第1回のDSC-RX1のようなダントツなカメラはありませんでしたが、2014年を代表して記憶に残るかもしれないカメラということでは、α7IIでいいかもしれませんね。」 《リバティ》 「皆さん、よろしいようですね。それでは私も異存はありません。ということで、『monoxAwards2014 デジカメ大賞』は、ソニー α7II ILCE-7M2に決定しました。」 |
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§ monoxAwards2014 各部門大賞は? §《リバティ》 「次は、各部門大賞の選定に入ります。前回と同様に、この用紙に機種名を記入してください。各部門につき1機種だけでお願いします。」 (各自記入) 《リバティ》 「よろしいでしょうか。それでは用紙を回収します。 選定理由の説明は、ひめ☆、太郎、私リバティ、monoxの順で行いましょう。 じゃ、まずひめ☆からお願いします。」 《ひめ☆》
「デジタル一眼レフは、ニコンのD4Sを選びました。選んだ理由は、今年でた唯一のプロ用フラグシップ・デジタル一眼レフだからです。カメラとしての実力で比べると、D4Sが頂上にあると思います。私にとっては高嶺の花です。 ミラーレスカメラは、パナソニックのDMC-GM5にしました。昨年はDMC-GM1とα7との間で迷いましたが、今年はα7IIがデジカメ大賞になりましたので、迷うことなくGM5を選択しました。GM1と同様に本当に小さくてかわいいボディの中に、電子ビューファインダーも内蔵したのはすごいと思います。ちょっと高いかなぁという気もしますが、自分用に欲しいカメラです。 高級コンパクトは、パナソニックのDMC-LX100です。パナのミラーレスカメラと同じイメージセンサーを内蔵していてズームレンズもありますから、写りと便利さの点で評価しました。 ネオ一眼はオリンパスのSTYLUS SP-100EEです。倍率の高い超望遠ズームレンズと照準システムがいいと思います。他のネオ一眼では、強い印象があるのはなかったこともあります。」 《リバティ》 「次に太郎さん、お願いします。」 《太郎》
「まずデジタル一眼レフだけど、キヤノンのEOS7D MarkIIにしました。ひめ☆の言うようにD4Sも良いカメラだとは思うけど、D4のマイナーバージョンアップモデルだし、EOS7D Mk2のインパクトと比べると、やはりこっちだと思いました。グリップが無料でもらえるキャンペーンもあったし、価格的にも結構魅力的だったんじゃないでしょうか。 次のミラーレスは、パナソニックのDMC-GM5ですね。前回は僕もGM1を選びましたが、さらにパワーアップされたことを評価しました。コンパクトなボディにセットされているレンズを着けると、コンパクトなみのサイズですね。写りもいいようだし。 高級コンパクトはソニーのDSC-RX100M3との間で、かなり迷いました。コンパクトカメラとして気軽に持ち運べるサイズという点では、正直ギリギリだと思います。でも、マイクロフォーサーズのミラーレスと同じセンサーに、明るく使いやすいズームを搭載しているので、オールマイティに使えるだろうと思います。 ネオ一眼は僕もオリンパスのSTYLUS SP-100EEです。決め手はドットサイト照準器です。」 《リバティ》 「ありがとう。それでは私の選択結果です。」
「最初はデジタル一眼レフですが、今まで出てきませんでしたがニコン D750を選びました。キヤノンのEOS7D Mk2とで迷いましたが、比較的買いやすい値段でフルサイズが楽しめるとともに、バリアングル液晶やWi-Fi搭載など、機能面でもきちんと目配りがされていることを評価しました。 ミラーレスカメラは、これも他の方はあげていませんが、富士フイルムのX-T1です。デジカメ大賞となったソニー α7IIと別のアプローチですが、やはりミラーレスとデジタル一眼を統合したカメラとして記憶に留めるべきカメラだと思います。パナソニックのDMC-GM5も良いとは思います。 高級コンパクトは、ソニーDSC-RX100M3です。一昨年の「高級コンパクト大賞」はDSC-RX100でしたし、昨年はDSC-RX100M2でしたので、またRX100シリーズか、という気もしましたが、ポップアップ式の電子ビューファインダーや、広角側にシフトしてさらに使いやすくなったズームレンズ、そしてコンパクトなボディということで、ある意味、高級コンパクトの完成形となったカメラだと思います。 最後のネオ一眼は、同じくオリンパスのSP-100EEです。1200mm相当のズームレンズは、今ではそれほど珍しくはありませんが、ドットサイト照準器の搭載で「使える」超望遠カメラとなった点を評価しました。ドットサイト照準器は、慣れるとかなり使いやすいです。 それでは、最後にmonoxさんもお願いします。」 《monox》
「はい。デジタル一眼レフは、最終的にキヤノンのEOS7D MarkIIを選びました。イメージセンサーこそAPS-Cサイズですが、5年ぶりにフルモデルチェンジされたフラグシップ機として、期待を裏切らなかったと思います。イメージセンサーと画像処理エンジンの進化による描写性能の向上に加えて、オートフォーカスや連写性能も強化されており、APS-Cクラスとしては他社製品と比べても頭一つ抜き出た実力を備えています。少なくとも、このクラスのニコン新製品がリリースされるまでは、圧倒的な存在感を示すのではないでしょうか。 ミラーレスカメラは、パナソニックのLUMIX DMC-GM5を選びました。デジタル一眼レフがいまだ健在な現時点では、ミラーレスカメラならではの魅力はコンパクト性にあるのも事実です。DMC-GM1のボディサイズを概ね踏襲しつつ、新たに電子ビューファインダーを内蔵した点するとともに、デザイン性の点でも目立つ存在であると思います。 高級コンパクトでは、私もソニーDSC-RX100M3を選びました。大型のセンサーを搭載したズーム・コンパクトとしては、パナソニックのLUMIX DMC-LX100やキヤノンのPowerShotG7Xも登場しており、選択が可能になった点は、昨年との大きな違いです。これら3機種の比較記事「徹底比較! パナソニック DMC-LX100 vs キヤノン PowerShotG7X vs ソニー DSC-RX100M3」でも整理しましたが、各々ターゲットとする使い方に違いはあるものの、やはり先行しているソニーが頭一つ分抜けているように思います。 ネオ一眼は、やはりオリンパスのSTYLUS SP-100EEです。ドットサイト照準器と手ぶれ補正の搭載で、望遠域での利便性が高いことを評価しました。当初は5万円前後であった価格も半額近くまで落ちてきていますので、同クラスのネオ一眼と比べても値ごろ感が感じられる点も魅力だと思います。以上です。」 《リバティ》 「ありがとうございました。 それでは、みなさんの集計をしますと、このようになります。」
《リバティ》 「今回も選択に幅がありますが、順番に見ていきたいと思います。 まず、デジタル一眼レフですが、キヤノンEOS7D MarkIIが2票で、ニコンD4SとD750が1票づつとなります。一番票数の多いキヤノンEOS7DMarkIIで決めることになりますが、よろしいでしょうか? よろしいようですので、今年のデジタル一眼レフ大賞はキヤノンEOS7D MarkIIとします。」 《リバティ》 「次にミラーレスカメラです。こちらは、パナソニック LUMIX DMC-GM5が3票、富士フイルムのX-T1が1票でした。私のみが違う選択となりましたが、他の方が一致したDMC-GM5で結構です。よろしいでしょうか。 それでは、ミラーレスカメラ大賞はパナソニックのDMC-GM5とします。」
《リバティ》 「最後はネオ一眼となります。ここは4人ともオリンパスのSTYLUS SP-100EEを選択しましたので、文句なくこれに決定したいと思います。全員が一致したのは初めてかもしれません。」 《monox》 「そうですね。それだけ魅力があるということだと思います。」 |
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§ monoxAwards2014 特別製品賞は? §《リバティ》 《太郎》 「僕も、パナソニック LUMIX DMC-LX100には賛成です。」 《リバティ》 「私のでは、選考漏れとなったニコン D750と富士フイルムのX-T1を推薦します。 最後にmonoxさんはどうですか?」 《monox》 「ちょっと多いのですが、これまでの選考には入らなかった4機種を提案したいと思います。まずは、中判のデジタル一眼レフであるリコーの645Zです。4年ぶりにリリースされた後継機種となりますが、他にはない製品ですので挙げたいと思います。 次はシグマのDP2 Quattroです。新型のFeveonセンサーに独特のボディデザインとなっており、シグマらしいユニークな製品です。 残りの2つは、ソニーのレンズスタイルのミラーレスカメラ、αQX1 ILCE-QX1と、カシオの分離可能なタフネスカメラ、EXILIM EX-FR10です。どちらの機種も、今までのデジカメの枠を超えた新しい製品でる点を評価しました。」
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§ monoxAwards2014 メーカー大賞は? §《リバティ》 「それでは最後に、メーカー大賞の選定に移ります。まずはmonoxさん、提案をお願いします。」 《monox》 「今年はフォトキナ開催年にしては、少々さびしい感じもしましたが、それでも各社とも新しい流れを感じさせる製品をリリースしていたと思います。 2012年はソニー、2013年はパナソニックがメーカー大賞に輝きましたが、今年はやはりソニーが一番ふさわしいのではないかと思います。今回の結果を見ても、デジカメ大賞にα7II、高級コンパクト大賞にDSC-RX100M3、特別賞にILCE-QX1と、3機種が受賞しています。製品の中身を見ても、記憶に残るものが多くあったのではないでしょうか。メーカー大賞は『デジカメ発展のために最も元気だったと思われるメーカー』となりますので、以上の理由から2014年はソニーが最適ではないかと思います。以上です。」 《リバティ》 「ソニーということで提案がありました。みなさん、いかがでしょうか?」 《ひめ☆》 「良いと思います。」 《太郎》 「こうしてみると、ここ最近のソニーのパワーはすごいね。会社全体は大変そうに見えるけど、デジカメ分野では業界全体を引っ張っているね。」 《リバティ》 「よろしいでしょうか。それでは2014年のメーカー大賞はソニーということで決定いたします。」 《リバティ》 「以上でmonoxAwards2014の選定を終了いたします。本年もスムーズな議事進行にご協力ありがとうございました。 それでは、ひめ☆にバトンを戻します。」 《ひめ☆》 「ありがとうございます。 途中、雑談が多くなってしまいましたが、monoxAwards2014も無事選ぶことができました。 本日はみなさん、ありがとうございました。それではごきげんよう!」
『monoxAwards2013』、『monoxAwards2012』もあわせてご覧ください。 ( 編集: Inaba Kunio) ※この記事が参考になりましたら、ソーシャルメディアで共有していただけますと幸いに存じます。
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