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特集 D800

ニコン D800 ~中判に迫る描写力のデジタル一眼レフ

ニコン D800  by Inaba Kunio    フルサイズ3630万画素の破壊力 中判に迫るデジタル一眼レフカメラ  評価:5.0
ニコン  D800 Nikon


1.ニコン D800の位置づけと概要

 「D700の進化」を超えた存在

 3月22日、奇しくも同じ日にニコンとキャノンのフルサイズ機がリリースされた。D800/D800EとEOS5DMark3は「よきライバル」として、今後あらゆる場面で比較されることになるだろう。

 キヤノンのEOS5DMark3は、イメージセンサーのブラッシュアップとオートフォーカス性能をはじめとするパフォーマンス向上が特長であるのに対し、ニコンのD800/D800Eの特長を一言で表すのは難しい。もちろん、D700の1210万画素が一気に3倍の画素数になった点がもっとも大きな違いではあるが、そのことを指摘すればするほど、進化の全体像を誤って伝えてしまうのではないか、という思いが募る。あえて言えば、D700の進化モデルではなく、D3Xの後継機に近い存在がD800/D800Eなのである。

 3630万画素の破壊力

 とはいえ、D800/D800Eを評価するにあたっては、まず3630万画素イメージセンサーについて触れなければならない。デジタルカメラの黎明期、VGAサイズのイメージセンサーを搭載したカメラが出始めのころ、メーカーの企画関係の方と話しをする機会があった。その時にフィルムの持っている解像力の議論になり、35mm版のリバーサルフィルムで概ね1000万画素レベルというのが大体の評価であった。言い換えれば、当時はまだまだフィルムでしか記録できない世界がたくさん残っており、デジカメ開発部隊としても謙虚に取り組まなければならない、という認識だった。


D800の有効3630万画素イメージセンサー。

 フィルムの持っている情報量については様々な議論がある。しかし、D800/D800Eの3630万画素イメージセンサーは、少なくとも解像力についてはフィルムを超えているという点について、ほとんどの方は同意するだろう。実際にネット上で公開されているサンプル画像を見ても、人間の視力では到底見えなかった細部までくっきりと記録されていることがわかる。ポートレートであれば、産毛の一本一本が見えることなどは当たり前で、瞳の中に写った撮影者が構えているカメラの機種さえ識別できるものもある。3630万画素の画像は、まさに「立体顕微鏡の世界」と言えるのかもしれない。

 先日発売された第三世代iPadが搭載する9.7型Retina(網膜)ディスプレイの解像度は264ppiであり、この解像度のレベルは人間の視力の限界であるといわれている300ppiにほぼ等しい。RetinaディスプレイにD800の画像を仮に等倍で表示するには、実に32型を超えるサイズが必要となる。メーカーが「中判に迫る描写力」と表現するのも、単なる営業トークでないことが理解できるだろう。


D800の画像を等倍で表示するには、新型iPadの12倍の大きさが必要。

【Nikon D800とD700の比較】
機種名 D800 D700
イメージセンサー 有効3630万画素
フルサイズ CMOS
有効1210万画素
フルサイズ CMOS
マウント ニコンFマウント ニコンFマウント
連続撮影枚数 14bitロスレス圧縮で17枚 14bitロスレス圧縮で20枚
ファインダー ペンタプリズム
視野率100%、倍率0.7
ペンタプリズム
視野率95%、倍率0.72
ISO感度 ISO100-6400
(拡張でISO25600まで)
ISO200-6400
(拡張でISO100-25600)
シャッタースピード 30-1/8000秒 30-1/8000秒
液晶モニター 3.2型92万ドット 3型92万ドット
連写速度 5コマ/秒 5コマ/秒
動画撮影 1920 X 1080 (30p) -
インターフェース USB3.0、HDMI mini、外部マイク入力、ヘッドホン出力 USB2.0、AV出力、HDMI
バッテリー EN-EL15
900コマ
EN-EL3e
1000コマ
サイズ
(W x H x D)
146×123×81.5 mm 147x123x77 mm
重さ
(含カード、バッテリー)
900g 995g

 視野率100%の光学ファインダー

 D700に対する改善要望の中で、常にトップ1、2位を占めていたのがファインダー視野率が95%にとどまった点である。デジタルカメラは比較的容易にトリミングが行えることもあり、実用上視野率95%で困ることはそれほど多くはないかもしれない。しかし、ミラーレスカメラが搭載している電子ビューファインダーは基本的に視野率100%であり「100%であるかないか」は販売力の点で大きな違いとなる。ミドルクラスであるD7000が視野率100%の光学ファインダーを搭載したのも、おそらく同じ事情からと推察される。

 今回、D800で視野率100%とすることができたのは、ローパスフィルターを薄型化したことが大きく貢献している。D700からの3年半の要素技術の進化が、こうした点にも反映されている。

 オートフォーカス機能と性能の向上

 カメラのクラス分けにおいて、オートフォーカス性能は重要なポイントの一つである。D800には、D4と同じオートフォーカスモジュールが搭載されており、基本的なスピードや精度はD4と同等となっている。位相差方式のオートフォーカスは、コントラスト方式と比べピント精度に課題があるが、このセンサーであればコントラスト方式と遜色ないピント精度となっている。

 動画撮影に対応

 機能面での大きな進化は、動画撮影機能を搭載した点である。D700ではライブビューモードはあったものの、動画撮影には対応できていなかった。今回、D800にフルHD動画撮影機能が搭載されたことで、フルサイズのイメージセンサーを活用した動画が撮影できるようになった。フィルムカメラからカメラに入った方は、デジタル一眼レフでの動画撮影をまったく使わない方も少なくないが、実際に撮影された高画質な動画は、一般的なビデオカメラのものよりも高品位であり、ぜひ活用されることをお勧めする。

 液晶モニターの大型化をはじめ機能面で進化

 その他、搭載している液晶モニターが3型から3.2型に大型化されただけでなく、ガラスと液晶パネルを一体化させることで屋外での視認性が大幅に向上している。また、大きなところでは、SDカードとCFカードのダブルスロットに対応した点も、使い勝手を向上させている。

 それでは実際に、ニコンのフルサイズ・デジタル一眼レフ、D800の実力をテストしてみたい。

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2.ニコン D800を開封し外観をチェック

 ニコン Nikon D800を開封する

 Nikon D800が発売されて10日が経過した現時点でも、発売前事前予約分でさえ十分行き渡っていない状況である。これはD800の魅力が高いとともに、20万円台後半と比較的安価に入手できることが影響しているのかもしれない。販売店サイドの情報によれば、D800Eはさらに需給がひっ迫しており、予想以上の予約に対してメーカー側もD800とD800Eの生産比率を見直しているようだ。もしD800Eを購入される予定があれば、早めに予約を入れられることをお勧めする。
 D800は、カメラ本体のみと、28-300mmズームレンズがセットになったレンズキットの2つが用意されている。今回は標準レンズによる定点チェックをメインに考えているため、本体のみを購入した。

Nikon D800

 Nikon D800のパッケージ。ゴールドを基調とした箱に、Nikon D800のロゴが記載されている。さすがに大きなパッケージである。

Nikon D800

 ケースを開けると、上段に取扱説明書などが入っており、その下にカメラボディやアクセサリー類が格納されている。左側のプチプチに包まれているのがカメラ本体。右側にはバッテリーやストラップ等が入っている。

Nikon D800

 パッケージ内に同梱されている付属品関係。左上より使用説明書、ソフトウェアCD-ROM、クイックガイド、ストラップAN-DC6、バッテリーチャージャーMH-25、電源コード、直付け型電源プラグ、USBケーブルクリップ、バッテリーEN-EL15、USBケーブルUC-E14。

 バッテリー関係をチェック

Nikon D800

 D800に使用するバッテリーやバッテリーチャージャーはD7000やV1に採用されているものと同じもの。EN-EL15を約155分で充電できる。

Nikon D800

 MH-25は中国製。バッテリーチャージャーにもシリアルナンバーが振られているのが珍しい。

Nikon D800

 電源プラグに直付けできるアダプターも付属しており、持ち運びが容易となっている。

Nikon D800

 バッテリーチャージャーには通常のメガネケーブルも付属しているため、使い方によって選択が可能となっている。

Nikon D800

 電源プラグを装着した状態。プラグ部分は、ニコンのロゴの上にあるレバーを引くと向きを変えることが可能なため、壁面に直接さす場合にも安定させることができる。

Nikon D800

 リチャージャブルバッテリーEN-EL15。静止画であれば900コマの撮影が可能。なお、ニコンの試験条件では最大で2400コマ撮影できる。光学ファインダーをメインに使うことで、バッテリー寿命を延ばすことができるのは、デジタル一眼レフのメリットの一つだろう。

 ニコン Nikon D800の付属品をチェック

Nikon D800

 付属のUSBケーブル。USB3.0に対応している。カメラ側端子はMicro-B端子となっている。

Nikon D800

 付属するUSBケーブルクリップ。これを利用することで、カメラ本体からUSBケーブルが外れにくくなる。

Nikon D800

 USBケーブルにクリップを装着した状態。端子の下にあるポッチもカメラ本体に挿入されるため、ケーブルが安定する。

Nikon D800

 付属する布製専用ストラップ。Nikon D800のロゴが刺繍されている。なお、D800EにはAN-DC6Eが付属する。おそらくロゴがD800Eになっているのだろう。

Nikon D800

 付属する液晶モニターカバーBM-12。透明性が高く、基本的には常時装着していても邪魔にならないだろう。

Nikon D800

 カメラ本体に装着した状態。カバー上下の爪によって固定されている。

Nikon D800

 ボディーキャップBF-1B。カメラ本体マウント部のバヨネットを使って固定する。

 ニコン Nikon D800の本体をチェック

Nikon D800

 ボディ形状は全体に丸みを帯びたものとなっている。

Nikon D800

 ボディ液晶モニター側。ボタン類の配置はD700のものを踏襲している。液晶パネルは92万ドットのままであるが、サイズが3型から3.2型になるとともに、視認性が向上している。

Nikon D800

 ボディ右側側面。グリップ部にはメモリーカードスロットが配置されている。

Nikon D800

 ボディ左側側面には外部接続端子類が格納されている。

Nikon D800

 D700と同様に、ボディロゴの下には、シンクロターミナルと10ピンターミナルが配置されており、ストラップ取付部に固定されたゴムカバーによって保護されている。

Nikon D800

 各ターミナルゴムカバーは各々独立して空けることができる。

Nikon D800

 左手グリップ内の外部端子類。外部マイク入力端子、USB端子、HDMI端子、ヘッドホン出力端子。USB端子の左側に見える穴は、ケーブルクリップ固定用のもの。

Nikon D800

 内蔵ストロボをポップアップさせた状態。D800のロゴの左側に見えるボタンを押すとポップアップする。手動式のため、電源が入っていなくても稼働する。

Nikon D800

 マウント部に向かって左側には、プレビューボタンとファンクションボタンが配置されている。

Nikon D800

 シャッターボタンはD700よりも傾斜角度が大きくなり、押しやすくなっている。ダイヤルやインジケーターランプ等の配置はD700と同じ。
 

Nikon D800

 この角度から見ると、グリップ部が大きく窪んでいることが分かる。指のかかりが良くなった。

Nikon D800

 D800では動画撮影に対応したため、新たに動画撮影ボタンが追加されている。緑色のポッチがついているボタンは、ボディ左側にあるQUALボタンと一緒に押すことで、本体機能のリセットが可能になる。このツーボタンリセット機能はフィルムカメラ時代からのもの。

Nikon D800

 D800ではCFとSDメモリーカードのダブルスロットとなった。同時記録やRAWとJPEGの分離記録などにも対応している。なお、CFは厚さが一番薄いTYPE I対応のため、マイクロドライブ等は使用できない。

Nikon D800

 両方のメモリーカードを挿入しつつある状態。カードの挿入方向のガイダンスが貼付されている。

Nikon D800

 光学ファインダーの上には標準のアクセサリーシューが配置されている。

Nikon D800

 アクセサリシューにはカバーが装着されている。

Nikon D800

 ボディグリップ右手部分。このあたりのレイアウトは、一眼レフタイプのデジカメではほぼ共通しつつある。

Nikon D800

 液晶モニター左側には、主に再生時に使用するボタン類を中心に配置されている。

Nikon D800

 ドライブの設定はレリーズモードダイヤルによって行う。ロックボタン付きのため、いつの間にか設定が変わっていた、ということは防止されている。

Nikon D800

 光学ファインダー接眼部。接眼目当てやマグニファイヤー等の装着が可能。

Nikon D800

 ファインダーにはアイピースシャッターが内蔵されている。アイピースからの入光によって露出設定が正しくされない場合があるので、屋外での撮影などでは、こまめにシャッターを閉じることをお勧めする。

Nikon D800

 ボディ底面部。三脚用穴はレンズ光軸に配置されている。シリアルナンバーは4000番台だった。

Nikon D800

 バッテリー室の蓋部分には、バッテリー挿入方向のガイダンスが貼付されている。

Nikon D800

 ボディ右肩の液晶パネルには、撮影に必要な基本情報が常に表示されている。シャッターボタン同軸のに配置されている電源レバーをスライドさせることで、一時的にパネルを発光させられるようになっている。

Nikon D800

 液晶モニターに撮影情報を表示させることも可能。このあたりは撮影スタイルによって使い方は大きく変わってくる部分だろう。

Nikon D800

 ミラーアップするとミラーボックス内が見られる。反射防止処理がきちんと施されている。

Nikon D800

 マウントの光学ファインダーにはファインダースクリーンが配置されている。スクリーンの交換はできないものの、格子線の表示等には対応している。

Nikon D800

 D800では水準器機能が搭載された。水平方向と前後方向の傾きを表示できる。ファインダー内のインジケーターを使って傾きを表示させることも可能。

Nikon D800

 液晶モニター部分にも情報表示が可能。液晶モニターのアスペクト比は4:3のため、画像表示部の下に黒い部分ができる。

Nikon D800

 AF-S50mmF1.4Gを装着した状態。フルサイズ機は特に標準レンズが似合っていると思う。

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3.ニコン D800の描写性能はどうか?

 描写力チェック1:高感度性能

 Nikon D800の基本感度はISO100で、標準ではISO6400まで設定可能となっている。拡張設定では、低感度側の設定でISO50が可能になるとともに、高感度側もISO25600が上限となる。ノイズ低減処理のやり方としては、カメラ内での設定と、RAWで撮影しパソコン上での現像段階で行う方法がある。なお、カメラ内で設定した場合でも、RAWファイルには変更は加えられない。

 カメラ内でのノイズ低減は、「高感度ノイズ低減」と「長秒時ノイズ低減」の2つがある。どちらも、撮影メニューの中で設定可能である。

 「高感度ノイズ低減」は「しない」、「弱め」、「標準」、「強め」の4種類がある。設定すると高感度での効果が大きいが、低ISOでもノイズ低減を行う。また、「しない」に設定した場合でも、ISO1600以上ではノイズ低減処理がかけられる。この場合、低減効果は「弱め」よりもさらに弱くなる。基本的には、初期設定である「標準」のままで良いだろう。

 「長秒時ノイズ低減」は、「する」と「しない」の2種類がある。「する」にすると1秒よりも低速のシャッター速度で撮影したときに長秒時ノイズ低減がかかる。

 D700と比較すると、画素数が3倍に増えているものの、総じてノイズレベルは同等以下となっている。この間のセンサー技術、画像処理技術の進化がきちんと反映されていることが確認できた。

 高感度ノイズ低減を「しない」にしても、ISO1600まではほとんどノイズ感はない。ISO3200を超えると暗部を中心にややノイズが目立ってくるが、ISO6400でも十分実用的であるように感じる。ISO12800になると、さすがに等倍ではノイズが目立つが、縮小して利用するのであれば十分使えるレベルだろう。

 高感度ノイズ低減を標準にすると、2段分程度ノイズが低減化される。解像感はやや低下するものの、ISO25600でもそれなりに使えるレベルとなっている。ノイズ低減を「強め」にすると、ノイズ感はさらに改善されるものの、解像感の低下も目立つ。いずれのレベルでも、画像自体が破たんするわけではないので、縮小すれば充分活用可能であると感じた。

 下記のサンプルは、高感度ノイズ低減を「しない」、「標準」、「強め」の3段階で各ISO感度の撮影を行ったものである。表示画像はほぼ等倍画像だが、クリックすると全体画像が表示されるので、あわせて比較をしてほしい。

SONY_ANEX-7
サンプル画像。左下の赤枠の部分を切り出してある。
画像をクリックすると、元画像の全体が開きます。

ISO50(左から「しない」「標準」「強め」)
Nikon D800Nikon D800Nikon D800

ISO100(左から「オフ」「標準」「強め」)
Nikon D800Nikon D800Nikon D800

ISO200(左から「オフ」「標準」「強め」)
Nikon D800Nikon D800Nikon D800

ISO400(左から「オフ」「標準」「強め」)
Nikon D800Nikon D800Nikon D800

ISO800(左から「オフ」「標準」「強め」)
Nikon D800Nikon D800Nikon D800

ISO1600(左から「オフ」「標準」「強め」)
Nikon D800Nikon D800Nikon D800

ISO3200(左から「オフ」「標準」「強め」)
Nikon D800Nikon D800Nikon D800

ISO6400(左から「オフ」「標準」「強め」)
Nikon D800Nikon D800Nikon D800

ISO12800(左から「オフ」「標準」「強め」)
Nikon D800Nikon D800Nikon D800

ISO25600(左から「オフ」「標準」「強め」)
Nikon D800Nikon D800Nikon D800

 描写力チェック2:解像度

 Nikon D800のイメージセンサーは有効3630万画素である。今回テストしたAf-S50mmF1.4Gの結果は、基本的に絞り開放から優れた解像力を示した。このレンズは、3段絞ると、周辺部を含めさらに解像力が向上したため、開放絞りF1.4から3段絞ったF4.0のもので確認を行った。視覚解像度チェック用ライン、限界解像度チェック用ラインとも、余裕で2500本ラインを超えている。今までテストした機種の中で、文句なくトップレベルの解像力といえるだろう。

  レンズ名:AF-S 50mmF1.4G
 焦点距離:50mm
 絞り値:F4.0 (開放絞りF1.4から3段絞った状態)
 使用チャート:ISO12233準拠チャート


(下図は、図の赤枠の部分を等倍で切り出したもの。)


 限界解像度チェック用のラインでは、楽々と2500本を超えるところまで視認できている。このレベルではモアレも発生していない。今までテストした機種の中で、文句なくトップレベルの解像力である。


 横方向の限界解像度チェック用のラインでも、同様に2500本ラインは十分視認可能。


4.結局、ニコン D800は「買い」か?

 独断 素晴らしい!smile ポイント 
  • 有効3630万画素の圧倒的な解像力。
  • 視野率100%、透過表示可能な光学ファインダー。
  • フルHDの動画撮影に対応。
  • D4と同等のオートフォーカス性能。
  • ISO25600まで設定可能な高感度性能 (ISO1600までは十分常用可能) 。
  • 軽量化されたボディ。
  • ストロボを内蔵。
  • USB3.0に対応。
  • ローパスレスモデルもラインアップ。

 独断 もう一息!not smile ポイント 
  • もう一息欲しい連写性能。
  • もう一息欲しい連続撮影可能コマ数。
  • 液晶パネルがチルトしない(このクラスではやむを得ない?)。
  • 手ごろな価格のフルサイズ対応レンズの品ぞろえが急務。

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付録1.製品仕様からみた D800の特長

レンズマウント  ニコンFマウント(AFカップリング、AF接点付)
有効画素数  36.3メガピクセル
 ※D4は16.2メガピクセル
  D700は12.1メガピクセル
撮像素子  35.9×24.0mmサイズCMOSセンサー、ニコンFXフォーマット
総画素数  36.8メガピクセル
ダスト低減機能  イメージセンサークリーニング、イメージダストオフデータ取得
記録画素数(ピクセル)  ・撮像範囲〔FXフォーマット(36×24)〕:
   7360×4912(L)
   5520×3680(M)
   3680×2456(S)
 ・撮像範囲〔1.2×(30×20)〕:
   6144×4080(L)
   4608×3056(M)
   3072×2040(S)
 ・撮像範囲〔DXフォーマット(24×16)〕:
   4800×3200(L)
   3600×2400(M)
   2400×1600(S)
 ・撮像範囲〔5:4(30×24)〕:
   6144×4912(L)
   4608×3680(M)
   3072×2456(S)
 ・FXベースの(動画)フォーマット:
   6720×3776(L)
   5040×2832(M)
   3360×1888(S)
 ・DXベースの(動画)フォーマット:
   4800×2704(L)
   3600×2024(M)
   2400×1352(S)
 ※D4は最大4928×3280
  D700は最大4256×2832
画質モード  RAW 12ビット/14ビット( ロスレス圧縮、圧縮、非圧縮)
 TIFF(RGB)
 JPEG-Baseline準拠
  圧縮率:FINE(1/4)、NORMAL(1/8)、BASIC( 1/16)
 RAWとJPEGの同時記録可能
ピクチャー
コントロールシステム
 スタンダード、ニュートラル、ビビッド、モノクローム、ポートレート、風景(いずれも調整可能、カスタムピクチャーコントロール登録可能)
記録媒体  SDメモリーカード、SDHCメモリーカード、SDXCメモリーカード(SDHCメモリーカード、SDXCメモリーカードはUHS-I規格に対応)
 コンパクトフラッシュカード(Type I、UDMA対応)
ダブルスロット  メモリーカードの順次記録、同時記録、RAW+JPEG分割記録ならびにカード間コピー可能
ファインダー  アイレベル式ペンタプリズム使用一眼レフレックス式ファインダー
視野率  FX:上下左右とも約100%(対実画面)
 1.2×:上下左右とも約97%(対実画面)
 DX:上下左右とも約97%(対実画面)
 5:4:上下約100%、左右約97%(対実画面)
 ※D4も同じ
  D700は約95%
倍率  約0.7倍(50mm f/1.4レンズ使用、∞、–1.0m–1のとき)
 ※D4も同じ
  D700は0.72倍
アイポイント  接眼レンズ面中央から17mm(–1.0m–1のとき)
 ※D4、D700は18mm
視度調節範囲  –3~+1m–1
ファインダースクリーン  B型クリアマットスクリーンVIII(AFエリアフレーム付、構図用格子線表示可能)
ミラー  クイックリターン式
プレビュー  プレビューボタンによる絞り込み可能、露出モードA、Mでは設定絞り値まで絞り込み可能、P、Sでは制御絞り値まで絞り込み可能
レンズ絞り  瞬間復元式、電子制御式
交換レンズ  DXレンズ(撮像範囲は[DXフォーマット(24×16)])
 GまたはDタイプレンズ(PCレンズ一部制限あり)
 GまたはDタイプ以外のAFレンズ(IX用、F3AF用使用不可)
 Pタイプレンズ
 非CPUレンズ(非AIレンズは不可):露出モードA、Mで可能
 開放F値がf/5.6以上明るいレンズでフォーカスエイド可能。ただしフォーカスポイント11点はf/8以上明るいレンズでフォーカスエイド可能
シャッター  電子制御上下走行式フォーカルプレーンシャッター
シャッタースピード  1/8000~30秒(1/3、1/2、1ステップ)、Bulb、X250
フラッシュ同調
シャッタースピード
 X=1/250秒、1/320秒以下の低速シャッタースピードで同調
 (1/250より1/320秒まではガイドナンバーが減少)
レリーズモード  S(1コマ撮影)、CL(低速連続撮影)、CH(高速連続撮影)、Q(静音撮影)、(セルフタイマー撮影)、MUP(ミラーアップ撮影)
連続撮影速度  EN-EL15使用時
  撮像範囲〔FX、5:4〕CL:1~4コマ/秒、CH:4コマ/秒
  撮像範囲〔DX、1.2×〕CL:1~5コマ/秒、CH:5コマ/秒
 マルチパワーバッテリーパックMB-D12(単3形電池使用時)またはACアダプターEH-5b使用時
  撮像範囲〔FX、5:4〕CL:1~4コマ/秒、CH:4コマ/秒
  撮像範囲〔DX〕CL:1~5コマ/秒CH:6コマ/秒
  撮像範囲〔1.2×〕CL:1~5コマ/秒、CH:5コマ/秒
 ※D4は最速11コマ/秒
  D700は本体のみで最速5コマ/秒、MB-D10で8コマ/秒
セルフタイマー  作動時間:2、5、10、20秒
 撮影コマ数:1~9コマ
 連続撮影間隔:0.5、1、2、3秒
露出制御  91Kピクセル(約91,000ピクセル)RGBセンサーによるTTL開放測光方式
測光モード  ・マルチパターン測光:
  3D-RGBマルチパターン測光Ⅲ(GまたはDタイプレンズ使用時)、RGBマルチパターン測光Ⅲ(その他のCPUレンズ使用時)、RGBマルチパターン測光(非CPUレンズのレンズ情報手動設定時)
 ・中央部重点測光:
  φ12mm相当を測光(中央部重点度約75%)、φ8mm、φ15mm、φ20mm、画面全体の平均のいずれかに変更可能(非CPUレンズ使用時はφ12mm、または画面全体の平均)
 ・スポット測光:
  約φ4mm相当(全画面の約1.5%)を測光、フォーカスポイントに連動して測光位置可動(非CPUレンズ使用時は中央に固定)
測光範囲  ・マルチパターン測光、中央部重点測光:0~20EV
 ・スポット測光:2~20EV(ISO 100、f/1.4レンズ使用時)
露出計連動  CPU連動方式、AI方式併用
露出モード  P:プログラムオート(プログラムシフト可能)
 S:シャッター優先オート
 A:絞り優先オート
 M:マニュアル
露出補正  範囲:±5段、補正ステップ:1/3、1/2、1ステップ
オートブラケティング  AE、フラッシュブラケティング時、撮影コマ数:2~9コマ、補正ステップ:1/3、1/2、2/3、1ステップ
 ホワイトバランスブラケティング時、撮影コマ数:2~9コマ、補正ステップ:1~3ステップ
 アクティブD-ライティングブラケティング時、撮影コマ数:2~5コマ、撮影コマ数が2コマの場合のみアクティブD-ライティングの効果の度合いを選択可能
ISO感度(推奨露光指数)  ISO 100~6400(1/3、1/2、1ステップ)、ISO 100に対し約0.3、0.5、0.7、1段(ISO 50相当)の減感、ISO 6400に対し約0.3、0.5、0.7、1段、2 段(ISO 25600相当)の増感、感度自動制御が可能
 ※D4はISO100-12800、拡張で50-204800
  D700はISO200-6400、拡張で100-25600
アクティブ
D-ライティング
 オート、より強め、強め、標準、弱め、しない
オートフォーカス  TTL位相差検出方式:フォーカスポイント51点(うち、15点はクロスタイプセンサー、11点はf/8対応)、アドバンストマルチCAM3500FXオートフォーカスセンサーモジュールで検出、AF微調節可能、AF補助光(約0.5~3m)付
 ※D4も同じAFモジュール
  D700はマルチCAM3500FX
検出範囲  −2~+19EV(ISO 100、常温(20℃))
 ※D700は-1~+19 EV
レンズサーボ  ・オートフォーカス:シングルAFサーボ(AF-S)またはコンティニュアスAFサーボ(AF-C)、被写体条件により自動的に予測駆動フォーカスに移行
 ・マニュアルフォーカス(M):フォーカスエイド可能
フォーカスポイント  AF51点設定時:51点のフォーカスポイントから1点を選択
 AF11点設定時:11点のフォーカスポイントから1点を選択
AFエリアモード  シングルポイントAFモード、ダイナミックAFモード(9点、21点、51点)、3D-トラッキング、オートエリアAFモード
フォーカスロック  AE/AFロックボタン、またはシングルAFサーボ(AF-S)時にシャッターボタン半押し
内蔵フラッシュ  押しボタン操作による手動ポップアップ方式
 ガイドナンバー:約12(マニュアルフル発光時約12)(ISO 100・m、20℃)
 ※D700はガイドナンバー約8.5(ISO100・m)
調光方式  91Kピクセル(約91,000ピクセル)RGBセンサーによるTTL調光制御:内蔵フラッシュ、SB-910、SB-900、SB-800、SB-700、SB-600またはSB-400でi-TTL-BL調光(マルチパターン測光または中央部重点測光)、スタンダードi-TTL調光(スポット測光)可能
フラッシュモード  先幕シンクロ、スローシンクロ、後幕シンクロ、赤目軽減、赤目軽減スローシンクロ、後幕スローシンクロ
 オートFPハイスピードシンクロ可能
調光補正  範囲:−3~+1段、補正ステップ:1/3、1/2、1ステップ
レディーライト  内蔵フラッシュ、別売スピードライト使用時に充電完了で点灯、フル発光による露出警告時は点滅
アクセサリーシュー  ホットシュー(ISO 518)装備:シンクロ接点、通信接点、セーフティーロック機構(ロック穴)付
ニコンクリエイティブ
ライティングシステム
 SB-910、SB-900、SB-800またはSB-700を主灯、SU-800をコマンダーとしたアドバンストワイヤレスライティング(SB-600、SB-R200はリモートのみ)可能。コマンダーモード設定時は、内蔵フラッシュを主灯として制御可能
 オートFPハイスピードシンクロ、発光色温度情報伝達、モデリング発光、FVロックに対応(SB-400は発光色温度情報伝達、FVロックのみ対応)
シンクロターミナル  シンクロターミナル(ISO 519)装備(外れ防止ネジ付)
ホワイトバランス  オート(2種)、電球、蛍光灯(7種)、晴天、フラッシュ、曇天、晴天日陰、プリセットマニュアル(4件登録可)、色温度設定(2500K~10000K)、いずれも微調整可能
ライブビュー機能  静止画ライブビューモード、動画ライブビューモード
レンズサーボ  ・オートフォーカス(AF):シングルAFサーボ(AF-S)、常時AFサーボ(AF-F)
 ・マニュアルフォーカス(M)
AFエリアモード  顔認識AF、ワイドエリアAF、ノーマルエリアAF、ターゲット追尾AF
フォーカス  コントラストAF方式、全画面の任意の位置でAF可能(顔認識AFまたはターゲット追尾AFのときは、カメラが決めた位置でAF可能)
動画機能  撮像素子によるTTL測光方式
記録画素数
フレームレート
 ・1920×1080:30p/25p/24p
 ・1280×720:60p/50p/30p/25p
 ・60p:59.94fps、50p:50fps、30p:29.97fps、25p:25fps、24p:23.976fps
 ・標準/高画質選択可能
 ※D4も同じ
  D700は動画撮影非対応
ファイル形式  MOV
映像圧縮方式  H.264/MPEG-4 AVC
音声記録方式  リニアPCM
録音装置  内蔵モノラルマイク、外部マイク使用可能(ステレオ録音)、マイク感度設定可能
その他の機能  インデックスマーク、微速度撮影
液晶モニター  3.2型TFT液晶、約92万ドット(VGA)、視野角170°、視野率約100%、明るさ調整可能、照度センサーによる液晶モニター自動明るさ調整機能
 ※D4も同じ
  D700は3型92万ドット
再生機能  1コマ再生、サムネイル(4、9、72分割)、拡大再生、動画再生、スライドショー(静止画/動画選択再生可能)、ヒストグラム表示、ハイライト表示、撮影画像の縦位置自動回転、画像コメント入力可能(英数字36文字まで)
USB  SuperSpeed USB(USB 3.0 Micro-B端子)
 ※D4はUSB2.0 別途有線LAN端子、WT-5用端子を内蔵
HDMI出力  HDMIミニ端子(Type C)装備、HDMI出力と液晶モニターの同時再生可能
外部マイク入力  ステレオミニジャック(Φ3.5 mm)
ヘッドホン出力  ステレオミニジャック(Φ3.5 mm)
10ピンターミナル  ・リモートコントロール:10ピンターミナルに接続
 ・GPS:GPSユニットGP-1(別売)を10ピンターミナルに接続。または、10ピンターミナルに接続したGPS変換コードMC-35(別売)を介して、NMEA0183 Ver.2.01およびVer.3.01に準拠したGPS機器(D-sub 9ピンケーブル併用)に接続
画像編集  D-ライティング、赤目補正、トリミング(3:2/4:3/5:4/16:9/1:1)、モノトーン(白黒/セピア/クール)、フィルター効果(スカイライト/ウォームトーン/赤強調/緑強調/青強調/クロススクリーン/ソフト)、カラーカスタマイズ、画像合成、RAW現像、リサイズ、簡単レタッチ、傾き補正、ゆがみ補正、魚眼効果、塗り絵、カラースケッチ、アオリ効果、ミニチュア効果、セレクトカラ―、動画編集(始点/終点の設定、選択フレームの保存)
表示言語  日本語、英語
使用電池  Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL15
 ※D4はEN-EL18
  D700はEN-EL3e
マルチパワー
バッテリーパック
 MB-D12(別売):
 Li-ionリチャージャブルバッテリーEN-EL18(別売)またはEN-EL15 1個使用 単3 形電池(アルカリ電池、ニッケル水素充電池、リチウム電池)8本使用
ACアダプター  ACアダプターEH-5b(パワーコネクターEP-5Bと組み合わせて使用)(別売)
三脚ネジ穴  1/4 (ISO 1222)
寸法(W×H×D)  約146×123×81.5mm
 ※D4は約160×156.5×90.5 mm
  D700は約147×123×77 mm
質量  約1000g(バッテリーおよびSDカードを含む)
 約900g(本体のみ)
 ※D4は1340g/1180g
  D700は995g(本体のみ)
動作環境  0~40℃
 85%以下(結露しないこと)
 ※D4、D700も同じ
付属品  Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL15
 バッテリーチャージャー MH-25
 アイピース DK-17
 USBケーブル UC-E14
 USBケーブルクリップ
 ストラップ AN-DC6
 液晶モニターカバー BM-12
 ボディーキャップ BF-1B
 アクセサリーシューカバー BS-1
 ViewNX 2 CD-ROM
連続撮影可能枚数
(FXの場合)
 RAW(ロスレス圧縮RAW/12ビット記録):21コマ
 RAW(ロスレス圧縮RAW/14ビット記録):17コマ
 RAW(圧縮RAW/12ビット記録):25コマ
 RAW(圧縮RAW/14ビット記録):20コマ
 RAW(非圧縮RAW/12ビット記録):18コマ
 RAW(非圧縮RAW/14ビット記録):16コマ
 TIFF(RGB):L 16コマ、M 18コマ、S 26コマ
 FINE:L 56コマ、M・S 100コマ
 NORMAL、BASIC:100コマ
 ※D4は14bit非圧縮RAWで69コマ
  D700は14bit非圧縮RAWで17コマ
連続撮影可能枚数
(DXの場合)
 RAW(ロスレス圧縮RAW/12ビット記録):38コマ
 RAW(ロスレス圧縮RAW/14ビット記録):29コマ
 RAW(圧縮RAW/12ビット記録):54コマ
 RAW(圧縮RAW/14ビット記録):41コマ
 RAW(非圧縮RAW/12ビット記録):30コマ
 RAW(非圧縮RAW/14ビット記録):25コマ
 TIFF(RGB):L 21コマ、M 26コマ、S 41コマ
 FINE、NORMAL、BASIC:100コマ
 ※D4は14bit非圧縮RAWで114コマ
  D700は14bit非圧縮RAWで31コマ

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付録2.発売前のファーストレビュー

【一口コラム】 D700の正統進化モデルを超えたD800

 D4の発売延期と同時に、D800/D800Eが発表された。すでに海外サイトで報じられてはいたが、いよいよ正式発表となったわけである。
 D800の一番の特長は、フルサイズ3630万画素のイメージセンサーを搭載している点である。画素数だけを比較すれば、D4の1620万画素の2倍以上の画素数であり、フルサイズ版では最高の画素数となる。これだけのセンサーを搭載しているにもかかわらず、たとえば14bitロスレス圧縮では17コマの撮影ができるとともに、FXで毎秒4コマを確保している点は、D3Xユーザーに対しても大きなアピールポイントとなるだろう。


フルサイズセンサー搭載機の画素数比較。
D800はD4の約2倍、EOS5D Mark3とでも1.6倍の画素数を持つ。

 D700はD3の普及版としての位置づけから、仕様上でもやや残念な点があった。とくに、視野率95%のファインダーについては、ハイアマチュアを中心に改善要望が多く出されていた。今回、ファインダーにもきちんと手が加えられており、この点も評価ポイントである。D700同様、ボディも防塵防滴仕様となっており、単にD700の正統進化モデルにとどまるものではない。

 また、D700からの3年半の経過を踏まえ、この間のトレンドもきちんと反映されている。とくに、D700では見送られた動画撮影も、30pのフルHDで撮影できる点は、当たり前とはいえ活用範囲を大きく広げてくれるだろう。

 もう一つ注目すべき点は、D800と同時に発表されたD800Eである。D800との違いは、搭載しているローパスフィルターの光学ローパスフィルター効果を効かなくしている点のみで、IRコーティングや反射防止コーティングは同じものとなっている。画像処理エンジンの機能強化により、ローパスフィルターの効果を弱めた機種も出てきているが、今回完全にローパスフィルター機能をなくしたことで、どの程度解像力が上がるか、楽しみである。

 発売予定は3月22日。予想価格は30万円前後と、D700登場時とほぼ同様の価格レンジとなる見込みだ。D800で唯一気になるのは、3630万画素のイメージセンサーの力に耐えうるレンズがどれだけあるか、という点である。D800には28-300mmの高倍率ズームレンズのセットモデルが用意されているが、このレンズでは力不足となってしまう危惧も感じる。ニコンによれば、多くのニッコールレンズで問題ないことを確認しているとともに、200dpiでA1サイズまでの引き伸ばしにも耐えうる描写力とのことであるが、発売次第、実機でチェックしたい点だ。

 いずれにせよ、D800は間違いなく、D700以上のベストセラーとなるだろう。  (2月7日記載)

CP+2012速報レポートを掲載しました。】(2月9日)

【D800とD700の比較】

機種名 D800 D700
イメージセンサー 有効3630万画素
フルサイズ CMOS
有効1210万画素
フルサイズ CMOS
マウント ニコンFマウント ニコンFマウント
連続撮影枚数 14bitロスレス圧縮で17枚 14bitロスレス圧縮で20枚
ファインダー ペンタプリズム
視野率100%、倍率0.7
ペンタプリズム
視野率95%、倍率0.72
ISO感度 ISO100-6400
(拡張でISO25600まで)
ISO200-6400
(拡張でISO100-25600)
シャッタースピード 30-1/8000秒 30-1/8000秒
液晶モニター 3.2型92万ドット 3型92万ドット
連写速度 5コマ/秒 5コマ/秒
動画撮影 1920 X 1080 (30p) -
インターフェース USB3.0、HDMI mini、外部マイク入力、ヘッドホン出力 USB2.0、AV出力、HDMI
バッテリー EN-EL15
900コマ
EN-EL3e
1000コマ
サイズ
(W x H x D)
146×123×81.5 mm 147x123x77 mm
重さ
(含カード、バッテリー)
900g 995g

 独断 デジカメ対決! どっちが良い? 


☆ vs キヤノン EOS5DMark3
☆ vs ニコン D600
☆ vs ニコン D4
☆ vs ニコン D700


 【厳選レビュー記事】

◎日経トレンディ ニコン「D800」、フルサイズ3630万画素は期待通りの精細感
  2012年 3月28日 星 智徳
  -ISO100の低感度撮影の作例を中心に、さまざまなシーンでの実写画像を掲載
  -樹木などの細かな被写体の描写はとても精細だ
  -ISO3200でもノイズは細かく、十分実用的に使える

◎ITmedia 有効3630万画素のフルサイズ機――ニコン「D800」インプレッション
  2012年 3月19日 永山昌克
  -丸みを帯びたマグネシウム合金ボディ
  -HDRモードや微速度撮影機能を搭載
  -クラス最多画素数を誇るフルサイズセンサー
  -ISO感度別作例

◎デジカメWatch 【新製品レビュー】ニコンD800
  2012年 3月19日 大浦タケシ
  -圧倒的な3,630万画素を実現したフルサイズ一眼レフカメラ
  -3,660万画素がもたらす驚異的な解像感
  -D4譲りのデバイスを採用。動画機能も強力
  -ライバルとの勝負はいかに?
  -実写サンプル

◎デジカメWatch インタビュー:ニコンに訊く「D800」「D800E」の実力
  2012年 3月16日 編集部
  -ライバルは中判デジタルカメラ
  -中判デジタルカメラのクオリティを目標に開発
  -“D800でもかなりすごい”を実感してもらえる画質
  -レンズの解像力をすべて引き出せるカメラ
  -A3プリントではD700同等のノイズ感
  -動画機能はプロの要望を反映
  -ボタンで操作できる「パワー絞り」とは?
  -細かい部分もブラッシュアップ
  -握りやすくなったグリップ
  -“高級機だから国内生産”ではない

◎日経トレンディ ニコンが圧倒的高画質の一眼「D800」、3630万画素で動画も強化
  2012年 2月 8日 磯 修
  -映画や放送撮影での利用をにらみ、動画機能も大幅に強化
  -D700と比べ、ボディーを約10%軽量化
  -ローパスフィルターの働きを無効にして高画質化を図った「D800E」も用意

◎AVWatch ニコン、3,630万画素CMOS搭載デジタル一眼「D800」
  2012年 2月 7日 編集部
  -フルHD AVC録画。ローパス無効化モデルも
  -中盤デジタル一眼レフや、中判デジタルバックに匹敵するほどの解像感
  -動画撮影機能「Dムービー」を強化。「プロユースにも対応する本格的な機能」
  -重量は本体のみで約900g、前モデルのD700と比べ、10%軽量化した。
  -D800Eは、センサーの前面にある光学ローパスフィルタを無効化したモデル

◎デジカメWatch ニコン、有効3,630万画素のフルサイズデジタル一眼レフ「D800」
  2012年 2月 7日 編集部
  -“ローパスフィルターの効きをなくした”「D800E」も
  -光学ローパスフィルターの違いで2機種を用意
  -世界最高の有効3,630万画素CMOSセンサーを搭載
  -ファインダー視野率は約100%
  -FX/DX切替など動画機能も充実
  -D700より10%軽量化。USB 3.0に対応
  -D800が3月22日、30万円前後。D800Eが4月12日、35万円前後。


 【基本仕様】    
画素数 3630万(有効) 画像素子  35.9×24.0mmサイズ(フル)FX
CMOSセンサー
ISO感度 100~6400  記録フォーマット  JPEG/RAW/TIFF
連写撮影 5 コマ/秒  シャッタースピード 1/8000~30 秒 
液晶モニター 3.2インチ 92万ドット  ファインダー形式  ペンタプリズム
ファインダー視野率(上下/左右) 100/100 ファインダー倍率 0.7
電池タイプ 専用電池  専用電池型番 EN-EL15
撮影枚数 900枚 レンズマウント ニコンFマウント
記録メディア SDカード、SDHCカード、SDXCカード、コンパクトフラッシュ
手振れ補正機能   ゴミ取り機能 
ライブビュー   バリアングル    
内蔵フラッシュ RAW+JPG同時撮影 
動画撮影 1920x1080
幅x高さx奥行き 146×123×81.5 mm  本体重量 900g
セット販売 レンズキット(AF-S NIKKOR 28-300mm F3.5-5.6 G ED VR)
  
  

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