描写力チェック1:高感度性能
LUMIX DMC-LF1は、有効1605万画素1/1.7型CMOSセンサーを搭載しています。基本感度はISO80で標準でISO6400まで、拡張ISO感度設定をONにするとISO12800まで設定可能です。
ノイズ低減処理については、カメラ側での設定項目はありません。
イメージセンサーは、高級コンパクトカメラとして一般的な1/1.7型サイズのものが搭載されています。DMC-LX7の有効1010万画素に対し、DMC-LF1は有効1210万画素ですので、単純に計算すると画素単位の面積は2割強小さくなります。しかし、全体としてのノイズ傾向は、DMC-LX7とほぼ同等レベルであると感じました。
(追記:2013年8月17日 DMC-LX7のイメージセンサーは総画素数1280万画素、有効画素数1010万画素であるのに対し、DMC-LF1は総画素数1280万画素、有効画素数1210万画素となりますので、1画素あたりの面積は同じと思われます。実焦点距離と換算焦点距離を比べても、DMC-LX7はセンサー周辺部の使用していない部分が大きいようです。レンズの違いはありますが、実際のノイズ傾向が同等レベルであったのは当然かもしれません。ご指摘くださった方に感謝申し上げます。)
ISO800までは、ほとんどノイズ感がありません。ISO1600になると、わずかにノイズ感が目立ってきますが、このレベルであれば十分常用可能であると思います。
ISO3200になると、ややノイズが目立ってきます。このあたりまでは等倍画像でも十分活用できるレベルです。
ISO6400以上は、ノイズ感と解像感の低下が大きくなります。とはいえ画像自体が破たんしているわけではないので、縮小するなど利用方法を工夫すれば、活用可能な画像だと思います。
下記のサンプルは、各ISO感度の撮影を行ったものです。表示画像は切り出した等倍画像ですが、クリックすると全体画像が表示されますので、あわせて比較をしていただければと思います。
サンプル画像。左下の赤枠の部分を切り出してあります。
切出画像は等倍画像です。クリックすると元画像が開きます。
ISO80
ISO100
ISO200
ISO400
ISO800
ISO1600
ISO3200
ISO6400
ISO12800
描写力チェック2:歪曲収差
LUMIX DMC-LF1は、6.0-42.8mmF2.0-5.9(35mm換算では28-200mm相当)のズームレンズを搭載しています。高級コンパクトとしては、ズーム倍率の高いレンズであると思います。
レンズは、歪曲収差、周辺光量とも良好に補正されています。広角端では樽型の歪曲収差が見られますが、ズーム倍率を考えると良好だと思います。画像周辺部の周辺光量不足も、絞り開放からほとんど目立たないレベルに抑えられています。
歪曲収差、周辺光量とも、50mm相当から望遠側ではほぼ完全に補正されています。おそらく電子的な補正も加味されていると思いますが、すべての望遠域で歪曲収差を気にすることなく撮影を楽しめると思います。
6.0mmF2.0(28mm相当)
10.7mmF3.3(50mm相当)
19.2mmF4.7(90mm相当)
42.8mmF5.9(200mm相当)
描写力チェック3:解像力
解像力テストでは、イメージセンサーとレンズの両方の実力が試されることになります。いつもの通りISO12233準拠チャートを使用して解像力チェックを行いました。LUMIX
DMC-LF1は有効1280万画素のイメージセンサーを搭載しており、高級コンパクトとして標準的な解像力を示しました。
画像中心部に関しては、広角端では絞り開放でも2400本のラインを超えるところまで視認可能でした。望遠側に移るにつれ、徐々に解像感の低下が見られましたが、望遠端でも2000本のラインを識別できました。
画像周辺部は、広角端ではやややわらかい描写で、2段程度絞ると鮮明度が上がります。望遠側に移るにつれ良好になり、50mm相当の標準域では1段絞るだけでかなり鮮明になります。さらに90mm相当から望遠側は、絞り開放でもきれいな画像が得られます。
35mm換算で28-200mm相当の高倍率ズームを搭載しているため、解像力の点ではやや厳しい結果ですが、ズーム倍率を考えると立派なレベルであると思います。
なお、下記のテストチャートは、中央部と左上を切り出したものです。画像はほぼ1/2に縮小してありますが、クリックすると元データ全体が表示されます。
ISO12233準拠チャート。中央と左上の赤枠の部分を切り出
してある。画像をクリックすると、元画像の全体が開きます。
6.0mm F2.0 (35mm換算28mm相当)
6.0mm F2.8 (35mm換算28mm相当)
10.7mm F3.3 (35mm換算50mm相当)
10.7mm F5.0 (35mm換算50mm相当)
19.2mm F4.7 (35mm換算90mm相当)
19.2mm F6.3 (35mm換算90mm相当)
42.8mm F5.9 (35mm換算200mm相当)
42.8mm F8.0 (35mm換算200mm相当)
機能チェック(おまけ):連続撮影枚数
パナソニックによると、LUMIX DMC-LF1の連写性能は次の通りです。
- 連写速度:10コマ/秒(メカシャッター時)。
- 連写速度:60コマ/秒(電子シャッター時)。
オートフォーカス追随での連写は、最速で5コマ/秒となりますので、この設定で連写テストを行いました。使用したメモリーカードは高速タイプのものです。(SanDisk
ExtremePro Class10 Read 95MB/s Write 90MB/s)
【RAW+JPEG(Fine)】
- 9コマを約5コマ/秒で撮影。
- その後は2.1~2.3秒おきに1コマのペースで連写。
【RAW】
- 9コマを約5コマ/秒で撮影。
- その後は1.3~1.4秒おきに1コマのペースで連写。
【JPEG(Fine)】
- 5コマ/秒の速度で撮影し続けることが可能。30コマあたりから2コマ/秒から3コマ/秒にややペースが遅くなる。
バッファー的には十分な容量を持っていると感じました。また、バッファーが一杯になっても止まることはなく、そのまま連写し続けることが可能であるため、ストレスは感じにくいと思います。特に単写モードであれば、RAW+JPEGであっても実質的に無限連写的な撮影が可能でした。
|