【お勧めの高級コンパクトカメラ】 2014年4月版

　最近、存在感を増してきたのが「高級コンパクト」と呼ばれるデジカメです。「高級コンパクト」についての明確な定義があるわけではありませんが、概ね画質を最優先に設計されたカメラ、と言えると思います。ここでは、単焦点レンズ搭載タイプ、ズームレンズ搭載コンパクトタイプ、ズームレンズ搭載多機能タイプの3つの視点でお勧め機種を選択しています。

【注意事項：選択の視点】

　どのような場面で、どのような方が、何を撮影するのかによって、最適なデジタルカメラは変わってきます。ここでは、はじめてデジタルカメラを購入される方や、これから腰を据えてデジカメを勉強しようと考えている方を想定しています。
　また、後継機種が発売されている場合には、旧機種が併売されていても、原則として後継機種を対象としました。

　※特集記事「ここまで来た！高級コンパクトの高感度性能」もご参照ください。

●単焦点レンズ搭載のお勧め高級コンパクトデジカメ

順位	機種名	金額	おすすめポイント
1	富士フイルム X100S	10万円台	FinePix X100から中身が一新され、描写力だけでなくオートフォーカスや連写性能が強化されました。また、フルHDでの動画撮影にも対応するなど、今までは我慢しなければいけなかった部分が解消されています。 　他の機種と比べ少々大きいですが、使いやすい焦点距離のレンズや光学ファインダーと電子ビューファインダーを結合させたハイブリッドビューファインダーを搭載したバランスの良さで選択しました。 　＜FUJIFILM X100Sの詳細レビュー記事を表示する＞ 　＜楽天市場での最安値を表示する＞
1	リコー GR	7万円台	2013年5月の登場です。前機種のGR DIGITAL4と比べると横幅が少々大きくなりましたが、スリムボディの中にデジタル一眼レフと同じAPS-Cサイズのイメージセンサーが搭載されたことで、描写性能が格段に強化されました。 　起動スピードやオートフォーカス速度など、全体に高速化されている点と、画面全体にわたって均質な描写力を持つレンズを搭載していることを評価し、X100Sと同順位としました。 　＜RICOH GRの詳細レビュー記事を表示する＞ 　＜楽天市場での最安値を表示する＞
2	ニコン COOLPIX A	6万円台	2013年3月の登場です。ニコン初の本格的高級コンパクトカメラであり、ニコンのデジタル一眼レフを踏襲したインターフェースが魅力的です。ニコンのレンズ交換式カメラを使っているのであれば、真っ先に検討すべき高級コンパクトです。 　28mm相当の単焦点レンズにAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載していることからも、トップレベルの描写性能となっていますが、特に画面中央部の鮮明さは他機種を凌駕していると感じました。 　他機種と比べ、やや買いやすい値段となっていることもポイントです。 　＜Nikon COOLPIX Aの詳細レビュー記事を表示する＞ 　＜楽天市場での最安値を表示する＞
3	シグマ DP1 Merrill	5万円 前後	DP2 Merrill、DP3 Merrillとともに、解像力をはじめとする描写性能は、一般的なデジタル一眼レフを凌駕するレベルです。Merrillになって、高感度性能や連写性能、液晶モニターなど、今まで若干見劣りしていた部分もキャッチアップされており、より勧めやすい機種に進化したと思います。 　DP1は、DP1xと同じ28mm相当のレンズを搭載していますが、開放F値がF4.0からF2.8へと1段分明るくなった点も魅力的です。 　後継機Quattroが発表されたこともあり、Merrillシリーズ3機種は値段の点でも買いやすくなりました。 　＜楽天市場での最安値を表示する＞
3	シグマ DP2 Merrill	5万円 前後	DP1 Merrill、DP3 MerrillやSD1と同じAPS-CサイズのFoveonセンサーを搭載しているカメラです。DP1 Merrill/DP3 Merrill同様、普通のカメラとして使うことができる高級コンパクトに仕上がっています。DP2xでは35mm換算41mm相当のレンズでしたが、DP2 Merrillではやや望遠側にシフトした45mm相当となっています。スナップなどでは、DP1よりも使いやすい焦点距離だと思います。 　＜DP2 Merrillの詳細レビュー記事を表示する＞ 　＜楽天市場での最安値を表示する＞
3	シグマ DP3 Merrill	5万円 前後	DP3 Merrillは、シグマDPシリーズ初の75mm相当中望遠レンズを搭載した高級コンパクトです。フィルム時代を含め、中望遠単焦点レンズを搭載したコンパクトカメラは、ほとんどなかったと思います。 　APS-CサイズのFoveonセンサー搭載を含め唯一無二の存在であり、強い個性を発揮するカメラです。 　＜楽天市場での最安値を表示する＞
次点	ソニー DSC-RX1	19万円 前後	20万円近い価格のため次点扱いとしましたが、もし予算に余裕があるようでしたら、一番のお勧め機種です。 　高級コンパクトカメラの中でも、35mmフルサイズのイメージセンサーを搭載した機種は、これが初めてとなります。搭載しているセンサーはソニーのフラグシップα99のものと同じで、これに35mmF2.0の単焦点レンズが搭載されています。まさに描写性能を最優先で設計したレンズ一体型カメラとして、デジカメ史に残る機種になると思います。 　その後、ローパスフィルターレスのDSC-RX1Rも登場しました。現時点で2万円程度高くなりますが、とりわけ解像感を重視されるのであれば検討に加えてもよいかもしれません。 　＜SONY DSC-RX1の詳細レビュー記事を表示する＞ 　＜楽天市場での最安値を表示する＞

●ズームレンズ搭載のお勧め高級コンパクト（コンパクト型）

順位	機種名	金額	おすすめポイント
1	ソニー DSC-RX100M2	5万円台	ソニーDSC-RX100M2は、小型なボディにミラーレスカメラと同等の描写性能、ズームレンズを搭載したカメラとして、不動の地位を確保したDSC-RX100の後継機です。新たに電子ビューファインダーに対応するとともに、チルト液晶やWi-Fi搭載など機能面でも強化されています。レンズは前機種と同じですが、現時点でも描写性能を重視されるのであれば一番のお勧め機種となります。 　＜SONY DSC-RX100M2の詳細レビュー記事を表示する＞ 　＜楽天市場での最安値を表示する＞
2	キヤノン PowerShotS120	3万3千円 前後	PowerShot S110の後継機となるS120は、初代S90から数えて五代目ということで、細かいところがブラッシュアップされているだけでなく、画像レベルもさらに向上しています。とくに新型イメージセンサーと新世代の画像処理エンジンを搭載した点は注目点の一つです。 　また、レンズもズーム全域でわずかながら明るくなっています。引き続きWi-Fiも搭載するなど、どんなときにも安心して使える1台に仕上がっています。 　＜Canon PowerShotS120の詳細レビュー記事を表示する＞ 　＜楽天市場での最安値を表示する＞
3	ニコン COOLPIX P340	3万5千円 前後	2014年2月に登場した新製品です。基本的には前機種P330のブラッシュアップモデルで、1/1.7型イメージセンサーに24-120mm相当F1.8-5.6のレンズを搭載した使いやすいコンパクトに仕上がっています。 　P330では搭載されていたGPSは省略されましたが、代わりにスマートフォン等によるリモート操作にも対応したWi-Fiを内蔵しました。P300シリーズも代を重ねるごとに、誰にでも進めやすいカメラに進化していると思います。 　＜楽天市場での最安値を表示する＞
次点	パナソニック DMC-LF1	3万5千円 前後	2013年6月の発売です。PowerShotS120やCOOLPIX P340とほぼ同じ大きさであるにもかかわらず、電子ビューファインダーを内蔵しており、他機種にはない魅力を持っています。レンズも28-200mm相当F2-5.9と広い画角をカバーしていますので、実用的なカメラとしても活用できると思います。 　当初はやや高かった価格も、徐々に下がってきたため値ごろ感も高まってきています。 　＜Panasonic LUMIX DMC-LF1の詳細レビュー記事を表示する＞ 　＜楽天市場での最安値を表示する＞
次点	ソニー DSC-RX100	4万円弱	1位で取り上げたDSC-RX100M2の前機種です。M2との主な違いは、液晶モニターが固定式であること、Wi-Fiは非搭載、電子ビューファインダーには対応していないことですが、描写性能は概ねM2と同等となっています。現時点でも描写性能を重視されるのであればトップクラスの製品となります。 　M2も価格が下がってきていますが、それでもさらに1万5千円程度安価に購入できる初代のコストパフォーマンスの高さは魅力的です。 　＜SONY DSC-RX100の詳細レビュー記事を表示する＞ 　＜楽天市場での最安値を表示する＞

●ズームレンズ搭載のお勧め高級コンパクト（多機能型）

順位	機種名	金額	おすすめポイント
1	キヤノン PowerShotG1X Mk2	7万円台	3月に登場した新製品で、PowerShot G1Xの後継機となります。マイクロフォーサーズよりも大きいイメージセンサーを引き継ぐとともに、24-120mm相当F2-3.9の明るいズームレンズを搭載している点が一番のポイントです。また、前機種では実像式光学ファインダーを内蔵していましたが、Mk2では外付けの電子ビューファインダー方式となりましたので、コンパクト性と実用性の面でより使いやすくなったと思います。 　機能面でも、Wi-Fiやチルト液晶など、必要とされるものはきちんと目配りがされています。高級コンパクトの中でもやや大きめのボディですが、大型イメージセンサーを搭載したPowerShotG1X Mk2は、他機種にない魅力を持っています。 　＜PowerShotG1X Mk2の詳細レビュー記事を表示する＞ 　＜楽天市場での最安値を表示する＞
2	ニコン COOLPIX P7800	4万円台	ニコンCOOLPIX P7800は、前機種であるCOOLPIX P7700に電子ビューファインダーを搭載したモデルとなります。レンズやイメージセンサーは前機種を踏襲しており、実用的で使いやすい仕様となっています。 　8コマ/秒の連写速度をはじめ、全体にレスポンスの良い動作もポイントです。Wi-Fiにはオプションでの対応となりますが、バリアングル方式の可動液晶も搭載されており、多様な撮影シーンへの対応が可能です。 　＜COOLPIX P7800の詳細レビュー記事を表示する＞ 　＜楽天市場での最安値を表示する＞
3	オリンパス STYLUS1	5万円強	2013年11月に登場した機種で、monoxAwards2013では「ネオ一眼大賞」にも選ばれました。1/1.7型イメージセンサーに28-300mm相当F2.8の高倍率ズームレンズを搭載している点が、他の機種にはない特長となっています。 　ボディデザインも、デジタル一眼レフににており、この点もポイントとなるように思います。電子ビューファインダーの搭載やチルト液晶、Wi-Fi内蔵など、機能面でもきちんと目配りがされていますので、オールラウンドで活躍する実力を備えています。 　＜STYLUS1の詳細レビュー記事を表示する＞ 　＜楽天市場での最安値を表示する＞
次点	富士フイルム X20	4万円台	富士フイルムX20はX10の後継機ですが、実像式光学ファインダーに情報表示がされるなど、実際の使い勝手がグンとアップしています。また、位相差方式を組み合わせることでオートフォーカスも高速化されており、単なる趣味カメラではなく、高い実用性を兼ね備えたカメラに進化しました。 　コストパフォーマンスの点でも、2013年2月の発売開始時点からは徐々に価格も下がってきており、買いやすいカメラに変わりつつあります。 　＜FUJIFILM X20の詳細レビュー記事を表示する＞ 　＜楽天市場での最安値を表示する＞
次点	キヤノン PowerShot G16	4万円台	2013年8月に登場した機種です。PowerShotG15の後継機となりますが、イメージセンサーやレンズはG15のものを踏襲しつつ、画像処理エンジンをDIGIC6に進化させることで、とくに動画性能が強化されています。 　また、オートフォーカスの高速化や連写性能の強化など、実際の使い勝手も向上しています。 　上位機となるG1X Mk2とはサイズも大きく異なりますが、多機能な高級コンパクトカメラとして、各々が独自の魅力をもったカメラに仕上がっている点は面白いと思います。 　＜楽天市場での最安値を表示する＞