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トップページ > デジカメ購入アドバイス > 【特別座談会】(前編) 2012年、デジカメはどう進化したか?

【年末恒例(予定)特別座談会】
(前編)2012年、デジカメはどう進化したか?

Coffee Shop in KANAGAWA


 2012年も残すところ1カ月あまりとなりました。今年は2年に1度のフォトキナ開催年ということもあり、昨年にもまして多くの新製品が登場した年だったと思います。この1年間を振り返って、デジタルカメラがどのように変わり進化したのかを、座談会形式で自由に議論しました。
 また、次回以降に掲載する『中編』『後編』では、メーカーごとの特徴と、今年1年間で発売開始されたデジタルカメラの中で評価すべき製品の選定も行いました。

  • 日 時:2012年11月25日(日)午前10時〜午後2時
  • 場 所:神奈川県内のコーヒーショップ
  • 参加者:monox、太郎、ひめ☆(司会)、リバティ(記録)


§ 今年のデジカメのトレンドは? §

《ひめ☆》
「みなさん、ごきげんよう。寒い日が続きましたが、今日は朝から暖かい一日になりそうですね。
 それでは、今年から年末恒例企画となる予定の特別座談会をはじめたいと思います。
 まずはじめに、今年のデジカメの特徴について伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。」

 トレンド1:描写性能を重視した製品が増加

《monox》
「今年は2月にCP+2012が開かれ、秋にはケルンでフォトキナも開催されました。昨年と比較すると、新製品が多く登場した年であったと思います。もちろん、昨年起きた東日本大震災の被害は甚大でしたし、タイの洪水についても一部メーカーの生産計画に大きな影響を与えましたので、その分、今年にずれ込んだということもあったのではないでしょうか。
 そんな中、今年のトレンドをみると、まず第一に描写性能をより重視した製品が増えているということがあると思います。デジタル一眼レフやミラーレスカメラなどのレンズ交換式カメラだけでなく、コンパクトカメラについても、こうした傾向が見られます。描写性能についても、単純に画素数を増やすということではなく、高感度性能やダイナミックレンジの改善や、レンズの光学性能を向上させるなど、実質的な部分で強化されています。」

《太郎》
「描写性能が重視されるようになったのは、デジカメが普及したことでユーザーの眼が肥えたからでしょうか?」

《monox》
「そうですね。デジカメが拡がり、今まで以上に写真を撮る機会が増えてきましたので、単に写っていればよい、というニーズから進化したということはあると思います。それと同時に、こうした傾向の背景には、やはりスマートフォンの存在があります。たとえば『小型・軽量』というだけでは、あえてデジカメを持つ意味が見出しにくくなっていますので、『デジカメでしか撮れない写真』という部分を強化してきたのは、当然の流れかもしれません。」

《リバティ》
「それは僕も感じています。僕は、いつもカバンに薄型コンデジを入れてますが、街中で写真を撮っている人たちを見ると、携帯電話やスマートフォンが圧倒的に多いですね。それでも記録程度だったら、十分なクオリティですし。」

Apple iPhone5
iPhone5
(画像をクリックすると詳細レビュー記事に移ります。)

《太郎》
「私はもともとスマホがほとんどです。業務用のデジカメも職場にありますが、記録写真はほぼ100%近くスマホで撮ってます。デジカメで撮った方がきれいですが、スマホでも報告書に付ける程度であれば十分だし、スマホの方が液晶が大きいので現場での確認もやりやすい。それに、撮ったらすぐにメールで送れるのはかなり便利です。」

 トレンド2:Wi-Fiなど新しい機能を搭載した製品が増加

《monox》
「そうなんですね。携帯電話やスマートフォンは、だいたい常に身に着けている。財布は持っていなくてもなんとかなるが携帯電話やスマートフォンを忘れたら困る、という人も少なくないと思います。常に持っている携帯電話、スマートフォンに対抗するためには、やはり『デジカメでしか撮れない写真が撮影できる』ことが重要なポイントなので、全体に描写性能が強化されています。
 それから、スマートフォン対策ということでは、デジカメの多機能化というのも、今年の重要なトレンドですね。まだ数は多くありませんが、Wi-Fi機能の搭載や液晶モニターのタッチパネル化をしたデジカメが急速に増えてきています。『デジカメでできてスマートフォンではできないことの強化』が描写性能の向上だとすると、『スマートフォンでできてデジカメでできないことへのキャッチアップ』が、機能強化と言えると思います。」

《ひめ☆》
「デジカメのトレンドとして、描写性能の重視・向上と、Wi-Fiなどの機能強化の2つがあがりましたが、他にもありますか?」

 トレンド3:製品サイクルが短縮化

《monox》
「そうですね。これは今年だけのトレンドということではありませんが、全体に製品サイクルが短縮化される傾向にあると感じています。以前からボリュームゾーンのコンパクトデジカメではそういう傾向はありましたが、最近はレンズ交換式カメラのエントリークラスでも似てきている感じがします。もちろん、世代交代によって描写性能や機能の強化、デザイン面でのブラッシュアップもされていますが、どちらかというとマイナーバージョンアップ的な位置づけの機種も増えてきているのではないでしょうか。これは、デジタルカメラ自体がコモディティ化していることの一つのあらわれだと思います。」

《ひめ☆》
「先ほどの『描写性能の重視・向上』という話についてですが、もうちょっと具体的にはどのように変わったのですか?」

《リバティ》
「わかりやすいところでは、高感度での撮影がしやすくなりましたね。コンパクトカメラでも、ちょっと暗めの室内くらいなら、フラッシュなしに写真が撮れます。パソコン上で画素等倍画像で見ると『あれっ』という場合でも、ちょっと縮小したりはがき版程度に印刷すると、結構きれいに見えます。
 カメラの手振れ補正機能もだんだん良くなってますので、念のためフラッシュを焚いておこう、ということがかなり減ったかな。」

《monox》
「コンパクトカメラでは、とくに『高級コンパクト』というジャンルの製品で、レンズが明るくなっている点も、今年のトレンドでしたね。広角端でF2.0よりも明るいズームレンズを搭載したカメラも増えてきています。また、高倍率ズームのネオ一眼では、ズーム全域でF2.8というものも登場しています。
 それから、デジタル一眼レフを中心に、フルサイズのイメージセンサーを載せたカメラが相次いで登場したのも、2012年の特徴です。オリンピック年ということでD4EOS-1DXがリリースされましたが、それ以外にもニコンからD800D600、キヤノンはEOS5DMark3EOS6D、ソニーからはα99と初のフルサイズコンパクトDSC-RX1と、合計で8機種も登場しています。2011年はフルサイズ機が1台もリリースされていないことを考えると、今年は『フルサイズの年』という言い方もできると思います。付け加えると、ニコンのD800EやペンタックスK-5IIsのように、ローパスフィルターの機能をなくした解像力重視のモデルが登場したのも、これからのデジカメ動向を占う要素として注目が必要ですね。」

 

§ 分野別にみた今年の特徴は? §

《ひめ☆》
「それでは、デジカメの分野別に、今年のデジカメの特徴を話していただけますでしょうか。事前のリバティさんとの打ち合わせでは、デジタル一眼レフ、ミラーレスカメラ、高級コンパクト、ネオ一眼にスポットを当てて、ということなので、この順でよろしいでしょうか。」

 デジタル一眼レフの特徴

《monox》
「それでは、まずデジタル一眼レフからですね。メーカーごとに違いはありますが、全体的に機能や描写力がレベルアップしています。単純に上がったというのではなく、より上級機種へとレベルアップした、ということが言えると思います。もちろん、これはミラーレスカメラとの棲み分けということが原因です。
 新製品ということでは、キヤノンからはEOS-1DXEOS5DMark3EOS KissX6iに加えて30日にはEOS6Dが発売されますので、計4機種となります。ニコンからはD4D800/D800ED3200D600、そして12月にD5200が予定されています。ソニーは厳密にはデジタル一眼レフではありませんが、従来のレンズを使えるカメラとしてはα65α57α37α99が新製品として登場しました。ペンタックスは、K-30K-5II/K-5IIsの2機種となります。シグマのSD1Merrillは、ロゴ以外はSD1とまったく同じですので、これをカウントしなかったとしても合計で15機種が新発売されたことになり、近年ではかなり多い方です。ちなみに、2010年は上記4社からの8機種にオリンパス、パナソニック、シグマから各1機種の計11機種、2011年は上記4社の4機種にシグマの1機種で計5機種となります。」

Nikon D800
Nikon D800
(画像をクリックすると詳細レビュー記事に移ります。)

《太郎》
「15機種とは、かなり多いですね。クラス的にはどうですか?」

《monox》
「従来の基準でエントリー機を考えると、15機種のうち純粋なエントリー機はα37のみとなります。EOS Kiss X6iは中身的にはEOS60Dに近いですし、ニコンのD3200は画素数や画像処理エンジンを考えると、D3100よりもクラスが上になります。ソニーのα57のボディはα65とほぼ同じですので、ミドルクラスのカメラと言えると思います。ペンタックスのK-30も、たとえば視野率100%のファインダーや防塵防滴性能という点をとっても、K-rとは違いますね。」

《リバティ》
「あらためて振り返ると、確かにデジタル一眼レフの新製品では、エントリークラスはほとんどないですね。」

《monox》
「そうです。これはたまたま今年がそうだったというよりは、これからのトレンドと見るべきでしょう。それから、機能面でも強化されています。ライブビューへの対応やフルHDの動画撮影機能は『基本装備』と言ってもよく、これに加えて液晶モニターのバリアングル化やタッチセンサー化、Wi-FiやGPSを搭載したものも出てきています。100%視野率の光学ファインダーや防塵防滴性能を持った機種も、以前よりも格段に増えています。どちらかといえばエントリークラスを中心にカバーするミラーレスカメラとの差別化ということで、デジタル一眼レフではエントリークラス、ミドルクラスの製品がレベルアップされています。

PENTAX K-30
PENTAX K-30
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 もう一つ見るべき点は、フルサイズ機の層が厚くなったということです。これはキヤノンとニコンの2社にのみ当てはまることですが、今までのフラグシップ+1機種という構成が、フラグシップ+2機種の3層構成になっています。フルサイズへの敷居が低くなったと言えると思います。このことも、先ほどお話ししたミラーレスカメラとの差別化という要因が関係しているわけです。」

《ひめ☆》
「ありがとうございます。次に、今一番元気のあるミラーレスカメラについてはどうでしょうか?」

 ミラーレスカメラの特徴

《太郎》
「今年、ミラーレスカメラはどのくらい登場しましたっけ?」

《リバティ》
「オリンパスからはOM-DE-PL5E-PM2の3機種、キヤノンはEOS M、ソニーはNEX-7NEX-F3NEX-5RNEX-6の4機種、ニコンはJ2V2の2機種、パナソニックはGF5G5、12月発売のGH3の3機種、富士フイルムはX-Pro1X-E1の2機種、ペンタックスはK-01Q10の2機種、ということで、合計では17機種だね。去年は12機種だから、ミラーレスカメラも今年は増えているよ。」

《monox》
「ミラーレスカメラの分野で今年第一のトピックスと言えば、昨年のニコンに続いて、富士フイルムとキヤノンが参入したということだと思います。どちらもAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載していますので、基本的にはデジタル一眼レフと同じ描写力を狙った製品と言えます。」

Canon EOS M
Canon EOS M
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《リバティ》
「富士フイルムはX100がAPS-Cサイズでしたし、昨年の発表もありましたからAPS-Cとなることはわかっていましたが、キヤノンもAPS-Cできたのはちょっと意外でした。『一定の描写性能を得られた後は、できるだけ小型化を重視する』というインタビュー記事もありましたから、てっきりPowerShotG1Xと同じ1.5型のイメージセンサーを載せるものと思ってました。」

《monox》
ミラーレスカメラも、登場時よりは『より描写力アップ』の方向にシフトしているような感じもしますね。このあたりは、デジタル一眼レフのラインアップをどの程度持っているかによっても、若干違いがあります。
 マイクロフォーサーズ陣営は、レンズ交換式カメラに対するニーズを、基本的にはミラーレスカメラでカバーしますので、コンパクトカメラからのステップアップユーザーからハイエンドクラスまでを幅広く展開しています。

OLYMPUS OM-D E-M5
OLYMPUS OM-D E-M5
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 ソニーの場合は、当初はエントリークラスに近い製品づくりでしたが、NEX-7NEX-6などの登場により、上級者クラスでも満足できる製品も出てきています。レンズ資産の蓄積度合が違いますから、すぐにαAシリーズのユーザーがNEXシリーズに移行することはないと思いますが、ゆくゆくはNEXシリーズに一本化されるのではないか、といった予測も聞かれますね。
 富士フイルムは、Xシリーズのラインアップのうちレンズ交換ニーズに対応する製品として、ミラーレスカメラを位置づけています。Xシリーズ自体が上級者をターゲットにしていますので、ある意味シンプルかもしれません。

FUJIFILM X-Pro1
富士フイルム X-Pro1
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 キヤノンは今のところ、ソニーがNEXシリーズを展開し始めた頃の動きに似ています。来年早々に新型ボディや追加レンズも登場する可能性がありますので、キヤノンの方向性を判断するにはそれから、ということになります。
 これらの範疇にはいらないのが、ペンタックスとニコンです。ペンタックスの場合、デジタル一眼レフと同じマウントを採用しましたので、レンズ資産を共用できるという特長があります。他方で、ミラーレスカメラのメリットである小型化は課題として残っています。また、コンパクトカメラと同じ1/2.3型イメージセンサーを採用したQシリーズもユニークな存在です。各々、ペンタックスらしい独自の発展を遂げているように思います。
 ニコンについては、昨年のV1J1、本年のJ2はコンパクトカメラからのステップアップユーザーをメインターゲットにした製品でした。今回、新たにV2が加わったことで、より広いユーザー層に受け入れられるシリーズに変わりつつあります。ニコンの場合、比較的小型の1型センサーを採用していますので、厳密に比較すればデジタル一眼レフよりも描写性能は劣ります。その分、レンズを含め大幅に小型化が可能ですので、『ある程度の描写力を持ちつつ、できるだけ小型なシステムカメラ』というニーズにも対応できるシリーズだと思います。」

Nikon V2
Nikon V2
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《太郎》
「レンズ交換式カメラの中で、ミラーレスカメラのシェアはどのくらいですか?」

《リバティ》
「国内だと台数ベースで約4割がミラーレスとなってるよ。海外では、まだかなり差はあるみたいだけど、徐々にミラーレスの占める割合は増えていくと見られているね。」

 高級コンパクトの特徴

《ひめ☆》
「それでは、次に高級コンパクトカメラについて、お願いします。」

SONY DSC-RX1
SONY DSC-RX1
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《リバティ》
「今年はソニーが目立ちましたね。6月のDSC-RX100に加え、先日のDSC-RX1と、どちらもインパクトのある製品だと思います。とくに、DSC-RX100は、今までの高級コンパクトが色あせて見えるような気がしました。」

《monox》
「そうですね。今年発売された高級コンパクトの中で印象に残ったものということでは、多くの方がDSC-RX100DSC-RX1をあげられるのではないかと思います。DSC-RX100は1型センサーと28-100mm(注:35mm版換算で)のズームレンズを搭載しつつ、コンパクトなボディに仕上げられている点が特長ですし、DSC-RX1はフルサイズセンサーと35mmF2.0の素晴らしい描写力のレンズが他機種にない魅力です。

 高級コンパクトは、大きく分けると描写性能を重視した単焦点モデル、ズームレンズを搭載した比較的コンパクトなモデル、そしてズームレンズを搭載し多機能性を重視したモデルの3つに分けられます。

SIGMA DP
SIGMA DP2 Merrill
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 最初の単焦点モデルでは、先ほどのソニーDSC-RX1以外にはシグマのDP1 MerrillDP2 Merrillの計3機種が発売されました。シグマの両機種は3層式のFoveonセンサーを搭載しているため、とくに解像感に優れた画像が得られます。こうした面から根強いファンがいるのも特徴的ですね。
 スームコンパクトモデルでは、DSC-RX100の他に、オリンパスのSTYLUS XZ-2、キヤノンのPowerShotS110、ニコンのCOOLPIX P310、パナソニックのLUMIX DMC-LX7、富士フイルムのXF1と、計6機種が登場しています。高級コンパクトの中で一番人気のあるジャンルとなります。」

《リバティ》
「このジャンルはDSC-RX100のインパクトが大きかったと思いますが、他機種もレンズが明るくなったり、機動性を増したり、あるいは機能面が強化されたりと、各々進化しているのは確かですね。」

SONY DSC-RX100
SONY DSC-RX100
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《monox》
「高級コンパクトに何を求めるのか、ということだと思います。当然この部分は、デジカメの使い方によって大きく異なってきます。いろいろとバリエーションが増えてくることは、自分自身の使い方にマッチするデジカメを選択しやすくなることに繋がりますから、好ましいことだと思います。
 とはいえ、やはり高級コンパクトカメラにとって描写性能は重要な要素です。ソニーのDSC-RX100の登場を受け、各社とも大型センサーを搭載した高級コンパクトカメラの研究開発を急ピッチで進めているのではないかと思います。もしそうであるならば、来年はさらに魅力的なデジカメが登場してくるのではないでしょうか。」

《リバティ》
「高級コンパクトカメラの3つめの『ズーム搭載多機能モデル』に該当する新製品は、キヤノンのPowerShotG1XPowerShotG15、ニコンのCOOLPIX P7700の3機種ですね。イメージセンサーで比較すると、マイクロフォーサーズよりも大型となる1.5型センサーを搭載しているG1Xと、1/1.7型センサーのG15P7700に分かれますね。」

Canon PowerShotG1X
Canon PowerShotG1X
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《monox》
PowerShotG15COOLPIX P7700の前機種であるPowerShotG12COOLPIX P7100は、機能的にもかなり似た部分がありました。G15G12に搭載されていたバリアングル液晶が固定化されたのに対し、P7700ではP7100に内蔵されていた実像式光学ファインダーが省略されました。同じ『多機能性』ということでも、メーカーによって進化の方向が異なっている点は興味深く感じます。また、PowerShotG1Xは、やや大型のボディではありますが、多機能コンパクトを極めた一つの姿だという点で魅力的なカメラだと思います。」

 ネオ一眼の特徴

《ひめ☆》
「それでは、最後にネオ一眼について、今年のトレンドはいかがだったでしょうか。」

《太郎》
「今年はそんなにネオ一眼は出てこなかった気がするけど、どうでしたっけ?」

《リバティ》
「もともとそんなに種類が多い分野じゃないけど、結構出てるよ。キヤノンのPowerShotSX50HS、ソニーのDSC-HX200V、ニコンのCOOLPIX P510、パナソニックのLUMIX DMC-FZ200、ペンタックスのX-5、富士フイルムからはFinePixSL300HS30EXRS4500の3機種が出てる。合計では8機種だから、昨年の9機種と同等レベルだと思う。」

《monox》
「ネオ一眼の分野ではブラッシュアップモデルが多かったから、それほど出ていない印象を受けたのかもしれませんね。この分野は特に海外で人気がありますので、毎年コンスタントに世代交代を重ねています。その意味では根強い人気があると言えると思います。

Panasonic LUMIX DMC-FZ200
Panasonic LUMIX DMC-FZ200
(画像をクリックすると詳細レビュー記事に移ります。)

 型番だけを見るとマイナーチェンジのように見えますが、それでもかなり進化した機種もあります。パナソニックのDMC-FZ200では24-600mm(注:35mm版換算で)のF2.8通しズームや高精細EVFの搭載など、かなり機能強化されています。キヤノンのPowerShotSX50HSも望遠側焦点距離が840mmから1200mm(同)」に、ニコンのCOOLPIX P510では、広角側が22.5mmから24mm(同)へとやや長くなったものの、望遠側も810mmから1000mm(同)へと大きく伸びています。
 1000mmとか1200mmとか、フィルムカメラ時代にはイメージできなかった焦点距離ですが、こうした製品が実用的なサイズでリリースされてきているのは、率直にうれしいですね。」

《太郎》
「富士フイルムは昨年末に発売したX-S1を含めると、合計で4機種もネオ一眼を出しているんですね。」

《monox》
「富士フイルムは永らくレンズ交換式カメラを出してこなかったので、そうしたことも影響しているかもしれません。なお、ネオ一眼ということでは電子ビューファインダーを内蔵している機種だけを対象にしましたが、EVF非内蔵モデルでも高倍率ズームレンズを搭載した機種が増えてきています。これも『デジタルカメラでしか撮れない写真づくり』ということがあるのだと思います。」

次回以降に掲載予定の『中編』『後編』では、メーカーごとの特徴と、今年1年間で発売開始されたデジタルカメラの中で評価すべき製品の選定を行っていますので、ご期待ください。